ドッグフードに入っているBHT・BHA・没食子酸プロピルって何?毒性はあるの?

ドッグフードの添加物について検索すると、BHT・BHA・没食子酸プロピルの3つの添加物についての批判のオンパレードです。

過激な表現では、まるで毒物のような扱いで書いているサイトも。

でも出てくるサイトはすべてドッグフードのメーカーあるいは販売サイトなので、ポジショントーク感が拭えません。

実際のところ、これらの添加物のリスクはどうなのか?をまとめてみました。

Dr.ノブ

愛犬の健康に関わることなので気になりますよね。
食べても大丈夫なの?

タロ

BHT・BHA・没食子酸プロピルは人の食品添加物として認められている

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピルはどれも酸化防止剤として使用される添加物です。

食品添加物の指定添加物に含まれているので、国が安全と保証した物質ではありますが、添加物入りと無添加、あなたはどっちのドッグフードを選ぶ?で書いたように不透明な部分があるのは確かです。

科学は万能ではないので、絶対に大丈夫とまでは言えません。

ただ、件のサイトに書かれているような毒物というのは明らかに言い過ぎです。

食品添加物として認められているので、基本は安全だけど不安は残るという感じでしょうか。

生協は制限付きで使用を認めている

生協は消費者目線で添加物問題に取り組み、科学的な安全性データからリスクのある添加物をリストアップしています。

生協ではBHT・BHA・没食子酸プロピルの3つの添加物をどのように評価しているかを見てみると

  • BHT→留意使用添加物
  • BHA→留意使用添加物
  • 没食子酸プロピル→保留添加物

となっています。

生協の留意使用添加物と保留添加物の定義はそれぞれ以下のようになっています。

留意使用添加物
安全性評価の結果何らかの問題が認められたが、消費者にとって問題点を上回る利益が得られる可能性が否定できない。
使用の際は細心の注意を払って、最小量の使用に務めるようにする。

保留添加物
安全性評価が必要にも関わらず、現時点では評価が完了していない添加物。
新しい知見が得られたら再評価されるかもしれません。

このように添加物に厳正に対処している生協でも、制限はありますがBHT・BHA・没食子酸プロピルは食品への使用を認めています。

Dr.ノブ

BHTはすでに食品に対してはほとんど使用されなくなっていて、代わりにBHAが使われるようになっています。

獣医師の多くが推奨するロイヤルカナンの処方食にも使用されている

ロイヤルカナンの製品

人が病気になった時に病気を治りやすくしたり悪化させない目的で病院食が用いられるように、われわれ獣医師もワンちゃんや猫ちゃんが病気の時に病気に最適の処方食(療法食)を指示することがあります。

その療法食を作っているメジャーなメーカーの1つにロイヤルカナンが挙げられます。

普段の診療でロイヤルカナンを勧めている獣医師は非常に多いのですが、このロイヤルカナンのドライフードにはBHAと没食子酸が使用されています。

病気の子に与える療法食に使用しているということは、ロイヤルカナンとしては安全と考えているということです。

獣医師の間でもこれらの添加物を問題視する声を聞いたことがありません。

結局、現時点では安全とされているが将来的にはわからない

一応、現時点ではBHT・BHA・没食子酸プロピルを添加物を使用しても問題はないとされています。

でもネットで書かれているようにBHT・BHA・没食子酸プロピルでは催奇形性やBHAには発がん性があるという研究報告があるのは事実です。

一方で、BHT・BHA・没食子酸プロピルには催奇形性が認められなかったという研究報告もあります。

BHAの発がん性は人の摂取量の数千倍をラットに投与して見られたもので、低い投与量では逆に抗がん性があるということも示唆されています。

つまり問題があるかもしれないけれど、あってもリスクは低いと考えられるが、最終的な評価はまだ定まっていないという状況です。

だからこそ生協が制限付きとは言えこれらの添加物の使用を認めているのであり、ネットで書かれているような毒性には根拠が無いと言えます。

結局のところ、今現在、使用に問題はないとされていますが、将来的には安全と判断されるかもしれないですし、やっぱり問題ありとされるかもしれません。

まとめ

ネットで毒のように叩かれているBHT・BHA・没食子酸プロピルの3つの添加物は、言われているほどにリスクのある物質ではありません。

しかし、人間と違ってワンちゃんは同じドッグフードを長期に食べるのが普通。

もし害があるのなら人間以上に影響があることは想像に難くありません。

これらの添加物は最終的に問題ありとされる可能性もあるので、ドッグフードメーカーにはできるだけ使用せずに他の酸化防止剤を使ってもらいたいものです。