犬に与えてはいけない食べ物4:ぶどう

知っている方もいるかもしれませんが、ワンちゃんに中毒を起こす意外な食品がぶどうです。

ぶどうといえばポリフェノールが含まれていて体に良いという印象が強いので、まさかワンちゃんに中毒を起こすなんて思いもしませんよね。

獣医師の間で10年くらい前から知られるようになった犬へのぶどうの毒性は、まだまだ世間的に周知されていると言える状況ではありません。

まだ不明の部分も多いのですが、この記事ではぶどう中毒についてまとめました。

これを機会にぶどう中毒のことを知って、愛犬の健康を守ってあげてください。

Dr.ノブ

ワンちゃんって思いもしないもので中毒を起こしますね。
ぶどうの甘い匂いって魅力だなぁ。

タロ

 

ぶどう・干しぶどうは犬にとって猛毒と言っていいレベル

ぶどう中毒は生のぶどうだけでなく干しぶどうザンテカランツも)でも起こります。

犬がぶどうを食べると急性腎不全が起こり、生命を脅かすほどに重症化することも少なくありません。

特に皮の部分が危ないとも言われますが、後述するように原因がわかっていないので真偽のほどはわかりません。

致死率が高い

犬のぶどう中毒は玉ねぎ中毒やチョコレート中毒に比べても重症化しやすく、致死率も高い非常に恐いものです。

アメリカの報告では中毒を起こした43頭中20頭が結局亡くなってしまいました。

実に死亡率は47%にものぼります。

助かった23頭も8頭で腎不全が残ってしまいました。

ぶどう・干しぶどうはワンちゃんにとって猛毒と言っていいレベルの食べ物なのです。

ぶどう中毒の原因は不明

こんなに恐いぶどう中毒なのに、もっと恐ろしいのはいまだにぶどう中毒の原因は解明されていないことです。

ぶどうに含まれているどの成分が犬にとって毒となるのかまったくわかっていません。

なので、実の部分が悪いのか、皮の部分が悪いのかもはっきりしないのです。

また、急性腎不全を起こすことははっきりしているのですが、どのような機序で腎臓に障害をもたらすのかさえわかっていません。

Dr.ノブ

何もわかっていないのですから、ぶどう果汁を使用した食品は全部リスクがあると考えて、愛犬が食べてしまうことのないように管理しましょう。

中毒量も不明 個体による感受性の差?品種の差?

何もわかっていない状態なので、ぶどうをどれだけ食べると危ないのか?その中毒量もはっきりしません。

過去の報告では、体重1kgあたり20gのぶどうを食べて中毒が起こったというものがあります。

これで計算すると、デラウエアひと房の重さが150g前後くらいなので、体重5kgほどの小型犬がひと房食べると中毒を起こすことになります。

ただし、20g/kgのぶどうを食べたから必ず中毒を起こすものでもないようで、中には1頭で900gも食べたのにまったく症状の出なかったケースもあります。

その差の理由として、個体間の感受性の差があることや、ぶどうの品種によって毒性の違いがあることなどが考えられますが、何しろ原因がまったくわかっていないのでどちらも推測の域をでません。

ぶどう中毒の症状

犬のぶどう中毒の症状としては食べてから4~5時間くらいで、

  • 嘔吐
  • 元気がなくなる
  • 食欲がなくなる

が認められます。

その後、時間差で血中のカルシウム・リンが上昇し、腎臓・肝臓の数値も上昇します。

それにともなって、

  • 乏尿(おしっこが少ししか出ない)
  • 無尿(おしっこがまったく出ない)

が見られ、急性腎不全におちいります。

最初の嘔吐が始まってから、腎不全が起きるのには2~3日かかることもあるので、当初の治療で良くなってきても、あっという間に容体が悪くなってしまいます。

運悪く亡くなってしまう場合も、数日の早い経過で死に至ります。

もし、愛犬がぶどうを食べてしまったら…

万一、愛犬がぶどうを食べてしまったら、たとえ症状が出ていなくても動物病院へ駆け込みましょう。

自宅でできることは何もありません。

食べてから30分以内なら吐かせることで、中毒を防ぐことができるかもしれません。

運悪く、中毒症状が出てしまっているのなら、積極的な入院治療が必要になるでしょう。

とにかく愛犬にぶどうを食べさせないことが何よりも大事

中毒を起こすと命にかかわるぶどう中毒なので、何よりもまず愛犬の行動範囲にぶどうを絶対に置かないことです。

犬は甘いものを好む傾向があるので、ぶどうを誤食するリスクはとても高いのです。

生のブドウだけでなく、干しぶどう、レーズンなどもダメですから、これらを使った食品にも注意してください。

Dr.ノブ

日本でぶどう中毒のことをあまり耳にしないのは、実際にはたくさん起こっているのに飼い主さんがまさかぶどうで中毒になっていると思わず、見過ごされているケースがかなりあるのかもしれません。
知識として知らなければ、ぶどうに毒性があるなんてこれっぽちも考えないでしょうからね。

まとめ

ぶどう中毒は犬に重篤な腎不全を起こします。

この情報を知らなければ、まさかあの甘くておいしいぶどうが愛犬にとって毒になるなんて思いもしません。

世間の飼い主さん大半が知らないことだけに、今もこれからも多くのワンちゃんが危険にさらされることになるでしょう。

いまだに原因もわかっていない中毒だけに、獣医師として提供できる情報もほとんどありません。

愛犬を守るのは飼い主さんの予防の意識だけです。

”絶対にぶどうを食べさせない”ということを肝に銘じておきましょう。

人の食べ物は与えない!犬には危険な食品がいっぱい