犬に与えてはいけない食べ物2:チョコレート

人が普通に食べているものでも、ワンちゃんが食べてしまうことで健康を害してしまう食べ物がいくつもあります。

チョコレートはその代表的な食べ物。

ワンちゃんに与えてはいけない食べ物として、広く知られるようになったチョコレートですが、まだまだ「知らなかった」という方も多いのではないでしょうか。

人では健康に良い食べ物として注目を集めているチョコレートは、犬にとっては猛毒となることがあります。

この記事では犬のチョコレート中毒について解説していますので、知らなかった方はこれを機にしっかりと覚えておいてください。

知っていた方も、どの程度のチョコレートを食べると危ないのかについても記述していますので、万一、愛犬がチョコレートを食べてしまった時に備えて参考にしてください。

Dr.ノブ

最近はタマネギ中毒よりもチョコレート中毒のほうが多くなっています。
あの甘い香りは魅惑だからなぁ。

タロ

人では健康に良いチョコレートも犬には毒でしかない!

最近になって、チョコレートは人の健康に良いと食べ物としてメディアによく取り上げられていますね。

期待される効果としては、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが血圧を下げてくれたり、メンタルに作用して活動的になったりするそうです。

今や人ではチョコレート=健康食というイメージすらあるのですが、犬にとってはまったくの逆のでしかありません。

チョコレートは甘いうえに乳製品が使用されていることが多く、犬からすれば魅惑的な食べ物のようで、好んで食べようとする子が多いので要注意!

人が家庭内で食べる機会の多い食べ物なので誤食による事故も非常に多く、アニコムの調査では中毒による死亡例では玉ねぎ・ネギによる中毒よりも多いという結果が出ています。

犬はチョコレートの成分をうまく分解できない

人は体に良いのに、なぜ?犬はチョコレートで中毒を起こしてしまうのでしょう?

チョコレート中毒の主な原因は、原料であるカカオ豆に含まれるキサンチン誘導体のテオブロミンという物質です。

同じキサンチン誘導体のカフェインもチョコレートには含まれていて、この2つの成分が中毒の原因となります。

MEMO
カフェインは体内で代謝されると一部がテオブロミンになります。

テオブロミンはチョコレートの苦味成分で、麻薬のモルヒネやコカインと同じアルカロイドと呼ばれる物質の仲間です。

適量ではリラックス効果や代謝を抑えたり、ダイエット効果があるとされています。

一方、麻薬に近い物質なので過量に摂取すれば副作用もあります。

なのに、人がチョコレートをたくさん食べても毒性が出る心配があまりないのは、テオブロミンをスムースに代謝して分解してしまうからです。

ところが犬では人に比べてテオブロミンの代謝が遅く、人の3倍の時間がかかってしまいます。

犬はチョコレートを少しだけ食べても、テオブロミンがいつまでも残ってしまい毒性が強く出てしまうのです。

チョコの種類で危険度が違う!

それではワンちゃんにとってどのくらいの量のチョコレートが危ないかを見てみましょう。

テオブロミンのLD50100~200mg/kgとされています。

LD50とは半分致死量のことで、それだけの量を摂取すれば半分の動物が死んでしまう量をあらわします。

つまり、体重10kgの犬なら1000mgのテオブロミンを摂取すると50%の確率で死んでしまうということです。

一口にチョコが危ないと言ってもチョコの種類によって含まれるテオブロミンやカフェインの量はまったく異なってきます。

参考までに各メーカーの代表的なチョコレートのテオブロミンとカフェインの含有量は次の表のようになります。

 商品名  テオブロミン(mg/100g) カフェイン(mg/100g)
明治ミルクチョコレート 250 25
森永ミルクチョコレート 270 36
ロッテガーナミルクチョコレート 220 28
チョコレート効果 板カカオ86% 990 93
カレ・ド・ショコラ[カカオ70] 610 110
カカオの恵み ドミニカブレンド 800 84

 このようにミルクチョコなのかビターチョコなのかで、含有量にはかなりの違いがあります。

もっとも危ないといわれているのは料理用チョコでそのテオブロミンの量は1600mg/100gにも達します。

料理用のチョコだと100g食べると柴犬クラスの子では命の危険があることになりますね。

「チョコレート効果 板カカオ86%」を100gでもかなり危ないです。

症状の出方には個体差がありますが、およそ体重1kgあたり20mgを摂取すると軽めの症状が、40mg/kgを超えると重症化するとされています。

つまり小型犬だとミルクチョコレート1枚食べただけで、命を落とすまでは行かなくても重い中毒を起こす可能性があることに。

以下に紹介するサイトで大まかなチョコレートの種類と体重から1kgあたりのテオブロミン摂取量を計算することができます。

万一の時に備えてブックマークしておきましょう。

参考 Chocolate Toxicity CalculatorVeterinaryClinic.com/

Dr.ノブ

ホワイトチョコレートにはテオブロミンはほんのわずかしか含有されていませんので、ホワイトチョコをたくさん食べても中毒を起こす心配はありません。

キサンチン誘導体(カフェイン、テオブロミン)はこれも危ない!

チョコレート中毒を起こすのはチョコレートを食べたときだけではありません。

  • ココア
  • コーラ
  • 眠気覚まし製品(カフェイン錠剤1錠でも中毒、小型犬は5錠で死ぬ可能性)
  • 人の気管支拡張剤(テオフィリン)

これら飲食物や薬にはキサンチン誘導体(カフェイン、テオブロミン)が多く含まれています。

チョコレートには注意している飼い主さんも、ココアやコーラにまでリスクがあることは知らないのではないでしょうか?

家庭の中にはワンちゃんにとって危ないものがいっぱいです。

チョコレートだけでなく、これらもワンちゃんが口にしないように十分な注意が必要です。

イヌのチョコレート中毒の症状は?

前述したように、テオブロミンを体重1kgあたりに換算して20mg/kg摂取すると軽い症状が出て、40mg/kgを超えると重篤な症状になってしまうとされていますが、これはあくまでも一般的な目安に過ぎません。

テオブロミンに対する反応は個体によって大きく異なり、20mg/kgでも重度の症状が出る子もいます。

食べたのが少量だったからといって油断してはいけません。

チョコレート中毒の症状が出る時は以下のような経過であらわれてきます。

症状が現れるのは4~5時間経ってから

チョコレートを食べてもすぐに症状は出てきません。

中毒症状が出てくるのは早くて4~5時間

遅いと半日かかって出てくる場合もあります。

テオブロミンの摂取量や個体による感受性で違ってくるでしょう。

この時点では、嘔吐下痢をしたりハァハァという呼吸(パンティング)をしたりします。

頻脈も出てくるので、胸を触るとドキドキと動悸があるのを感じられるかもしれません。

そわそわと落ち着きがなくなったり、時にはオシッコを漏らしたりします。

重症化すると…

中毒症状が悪化すると、頻脈が激しくなりさらにリズムまでおかしくなったり体を震わしたり(振戦)、意識が混濁してきたり、痙攣発作を起こしたりします。

最終的には昏睡し、心臓発作により死亡してしまうこともあります。

万一、チョコレートを食べてしまったら?

チョコレートを食べたことがはっきりしていたら、すぐに病院へ行って治療を受けましょう。

大量に食べてもすぐなら、胃の内容物を吐かせて対症治療することで助かるかもしれません。

時間が経ってしまうと消化吸収されてしまい、吐かせても効果がありませんので早期に治療することが重要です。

テオブロミンが少量の場合は少し様子を見てもいいですが、半日はよく観察して、何か異常があれば病院へ行くようにしましょう。

活発な犬・好奇心旺盛な犬は要注意!

普段、ドッグフードと決められたおやつしか与えていなくても、ワンちゃんは目の届かないところで何を食べてしまうかわかりません。

人が何かを見つけて「これなんだろう?」と調べる時は手にとって見てみますよね。

犬は興味を惹かれたものを調べる時、手を使えないのでニオイを嗅いだり口で噛んでみたりします。

甘い香りと味のチョコレートはとても魅力的なので、最初はいたずらや盗み食いをするつもりはなくても、ついつい食べてしまったりするのです。

特に、活発なワンちゃんや好奇心旺盛なワンちゃんではその傾向が強いです。

事故を起こさないように、家庭内に無造作にチョコレートを置いておかないように気をつけましょう。

まとめ

知識として知らないと予想もしませんが、チョコレートはワンちゃんにとって非常に危険な食べ物です。

家庭内でワンちゃんの手の届くところにチョコレートをけっして置いてはいけません。

万一、食べてしまった時はできるだけ早く動物病院へ連れていきましょう。

また、ココアやコーラにも同様の危険があるので、注意してください。

人の食べ物は与えない!犬には危険な食品がいっぱい