ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)っていう名前は聞いたことがありますか?
人では脳の働きを良くしたり、コレステロールを下げて動脈硬化になりにくくし脳卒中や心臓病を予防する効果が期待されている中性脂肪を構成する成分の1つです。
ワンちゃんの場合はこれらの効果より、主に皮膚トラブル改善を期待してDHAやEPAの入ったサプリメントがよく使われています。
プレミアムドッグフードの中には、付加価値としてDHA、EPA、α-リノレン酸などの総称であるオメガ3脂肪酸を配合した製品が多く見られます。
愛犬に皮膚トラブルがあるのなら、日頃のフードとして選ぶといいかもしれません。
この記事ではDHA・EPAが強化されたドッグフードの一覧とDHA・EPAの期待される効能について解説しています。
Dr.ノブ
タロ
目次
オメガ3脂肪酸を多く含むドッグフードのリストを表にしました。
他にもオメガ3脂肪酸を含む製品はあるのですが値が低かったり、保証成分としてオメガ3脂肪酸の値を公表していなかったりします。
ここではオメガ3脂肪酸を公表していて数値の高いものだけをピックアップしています。
商品名 | オメガ3脂肪酸 | タンパク源 | 小麦不使用 | 穀物不使用 |
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ヒューマングレード![]() モグワン |
1.29% | 鶏 ・鮭 | ![]() |
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![]() ソリッドゴールド ウィービット |
1.25% | バイソン ・魚 | ![]() |
![]() 米,オーツ麦,大麦 |
![]() アズミラ ライフスタイル ドッグフォーミュラ |
1.23% | 羊 ・魚 | ![]() |
![]() 米,ソーガム,丸麦 |
![]() ティンバーウルフ ワイルド&ナチュラル |
1.2% | 鶏 ・魚 | ![]() |
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![]() AATU (アートゥー) |
1.1% | 鶏 | ![]() |
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ヒューマングレード![]() アカナ コッブチキン&グリーンズ |
1.0% | 鶏 ・七面鳥 ・魚 | ![]() |
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![]() ペットカインド グリーンビーフトライプ |
1.0% | 牛 ・鶏 ・七面鳥 | ![]() |
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ヒューマングレード![]() カナガン |
0.9% | 鶏 ・卵 | ![]() |
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DHAとEPAは生合成によってDHAからEPA、あるいはEPAからDHAを作ることができます。
なのでDHAもEPAもほぼ同じ作用があるものと考えていいでしょう。
DHAとEPAに期待される効果には以下のものがあります。
- 脳を活性化し学習機能や記憶の改善
- がんの発育を抑える作用
- コレステロールを下げる作用
- 抗血栓作用
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
冒頭で述べたように、ワンちゃんでは抗炎症作用と抗アレルギー作用による皮膚トラブルの改善を期待して、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を含んだサプリメントがいろいろあります。
軽いアトピーでは治療の一環としてこれらのサプリメントを使うことも珍しくありません。
Dr.ノブ
体にいいとされているDHA・EPA・α-リノレン酸などはすべてオメガ3脂肪酸なのですが、サプリメントでもドッグフードでも、オメガ3脂肪酸だけでなくオメガ6脂肪酸の数値が一緒に表記されています。
なぜオメガ6脂肪酸の数値まで公表されているかというと、効能を発揮するためにはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスがとても大切だからです。
有用な作用があるのはオメガ3脂肪酸の方ですが、オメガ6脂肪酸も必要なもの。
ただし、オメガ6脂肪酸が多いとアレルギーが起こりやすくなったり、炎症や痴呆に影響するといわれています。
だから両者のバランスが大事なのです。
AAFCOのガイドラインでは、子犬にのみ数値が決められていてオメガ3脂肪酸(EPA・DHA・α-リノレン酸)とオメガ6脂肪酸(リノール酸・アラキドン酸)の比が1:30を超えないことになっています。
この数値なら上に挙げたドッグフードはすべてクリアしています。
しかし、人の方では望ましい摂取比率が1:1~1:4とされているので、この比率に照らし合わせると半分くらいのフードが外れてしまうようです。
その点で言うと、モグワンはオメガ3脂肪酸1.29%に対しオメガ6脂肪酸1.63%、アズミラが1.23%と1.63%でこの2つのフードが理想的な比になっています。
では、もともとDHAやEPAのサプリを飲んでいて、上に挙げたフードを与えると過剰摂取にならないのでしょうか?
実はDHAやEPAには「最低限これだけ摂取しましょう」という目標値はありますが、特に上限は決められていません。
サプリに含まれる量もフードに含まれる量も極端に多いわけではないので、併用して摂ったとしても問題が出ることはないでしょう。
強いて言えば、油の一種なのでお腹がゆるくなる可能性があるくらいです。
DHAやEPAに期待できるのはマイルドな作用なので、薬のようなはっきりとした効果があるわけではありません。
しかし、軽い皮膚のトラブルなら保湿や薬用シャンプーなどと合わせることでいい状態に維持することは可能です。
愛犬の皮膚が気になるのなら、DHAやEPAを配合したドッグフードを食べさせるのがおすすめです。
Dr.ノブ

