ドライフードというのは、俗に”カリカリ”とも呼ばれる乾燥しているドッグフードのことです。
大半の方がワンちゃんへの主食としてドライタイプのドッグフードを使っています。
あまり意識せずに、ワンちゃんの食事はドライフードが当たり前と思って与えてきた方も多いのじゃないでしょうか?
この記事ではあらためてドライフードの基準やメリット・デメリットについて考えてみましょう。
Dr.ノブ
タロ
目次
ドライフードには「こうあるべき」という厳密な基準が特にあるわけではありません。
一般に水分量が10%前後のフードのことをドライフードと呼んでいるようです。
水分量だけでいうと、ビスケットタイプのおやつもそうなのですが、日本ではペレット状や小さなドーナツ状の形態で主食にするフードのみをドライフードと呼び、おやつはドライフードには含まないみたいです。
まずはドライフードがウェットフードに比べて優れている部分をピックアップしてみましょう。
ドライフードのメリットは、
- 傷みにくく保存しやすい
- 扱いが楽
- コスパがいい
- 汚れにくい
- 歯石がつきにくい
- 噛む欲求を満たす
などが挙げられます。
一番のメリットは乾燥しているためフードが傷みにくく、ある程度放置しておいても安心なことです。
缶詰タイプのフードだと、食べ残しがあるとすぐに乾燥してしまいますからね。
特に夏場では缶詰タイプは気をつけないと腐ってしまいます。
その点、ドライフードは一晩くらいそのままでもぜんぜん大丈夫です。
あと、保存するのも必ずしも冷蔵庫に入れる必要はなく、湿気ないように注意するだけでいいので管理が楽です。
Dr.ノブ
タロ
飼い主さん側のメリットとして、ドライフードは乾燥しているので軽くて扱いやすいことが挙げられます。
もし、ウェットタイプで1ヶ月分だとかなりの重量になりますが、ドライフードなら大型犬でもない限り、1ヶ月分でもらくらく運ぶことができます。
給餌もカップで必要量を食器に入れるだけで簡単に済みます。
管理や取り扱いが楽なのは大きなメリットです。
一般に、ドライフードはウェットタイプのフードに比べるとコストがかかりません。
食事量の少ない小型犬なら気にならないレベルでも、大きいワンちゃんだとけっこうな差になってきます。
食費はワンちゃんが生きているかぎりずっと続く出費ですから、コストが安いことはとても大きなメリットですね。
Dr.ノブ
安心を買うと思えばけっして高くはありませんね。
ドライフードはウェットのように毎食ゴミが出ることはないですし、食べた後の食器もあまり汚れず、軽く洗うだけでOKです。
食器の周囲の床が汚れることもあまりありませんね。
また、ワンちゃんの口元が汚れることもなく、食後に口元を拭いてあげる必要はほとんどありません。
ドライフードをカリカリ噛んで食べていると、それだけで歯垢はつきにくくなります。
ウェットタイプのフードだと食後の歯磨きを習慣にしないと割りと若いうちから歯石が目立ってきますが、ドライフードを主食にしているワンちゃんでは早い時期に歯石が付くことはあまりありません。
歯石の付きやすさは、唾液に含まれるミネラル分や口内環境に左右されるので個体差があります。ドライフードを食べていても付きやすい子はすぐに歯石がつくので、できるだけ歯みがきをするようにしましょう。
ワンちゃんがドライフードをバリバリ食べているのと、人間が咀嚼しているのとでは意味合いが違います。
もともと犬の奥歯は裂肉歯といって肉を引きちぎったり骨を飲み込みやすいように噛み砕くためものであって、人間の臼歯のように細かくすりつぶすため歯ではないのです。
だからバリバリと噛み砕くことはワンちゃんの本能的な欲求と言えるもので、ドライフードを噛み砕くことはその欲求を満たしてくれます。
やわらかいウェットフードでは、肉のように引きちぎる感覚は味わえませんし、ましてや噛み砕く感覚には程遠いものです。
この点でもドライフードはメリットがあるといえますね。
噛む欲求を満たすのに犬用ガムを与える場合がありますが、丸呑みした時にノドに詰まらない大きさのものにするよう気をつけましょう。
牛や豚の骨は消化の良い物ではないのでおすすめしません。
鶏の骨は小さいですが生の骨は割れると鋭利になって食道に刺さるので絶対に与えてはいけません。

次にドライフードがウェットフードに比べて劣っている部分を考えてみましょう。
ドライフードのデメリットとしては
- ウェットフードに比べると嗜好性が落ちる
- 飼い主が心理的においしくなさそうで可哀想と思う
- 保存料など添加物の入っている製品が多い
- 傷んでいても見た目でわかりにくい
ドライフードの原料にはミール類や穀類など、水分量が低かったり保管がしやすかったり扱いやすい原料を用いていることが多いです。
そのため生に近い原料を使用しているウェットタイプに比べておいしくないと言われています。
実際にワンちゃんはウェットタイプのフードを好んで食べる傾向にあります。
比較するとやはりウェットタイプの方がおいしいのでしょう。
Dr.ノブ
つまり内容以上に食感が食いつきを左右するのです。
一昔前のフードはあまりおいしくなかったようで、ドライフードを食べないという相談をよく受けました。
でも今は、素材にこだわり風味がよくなっているプレミアムドッグフードが増え、ワンちゃんも好んで食べてくれるような製品が多くなってきましたね。
たいていの子がウェットタイプのようによく食べてくれます。
おいしくなったといっても、人間から見るとドライフードはどうしても味気なく見えてしまいます。
そんなドライフードを愛犬に与えておいて、自分たちはおいしい食事をすることに罪悪感を感じてしまう人もいます。
その思いがこうじて人の食べ物をワンちゃんに与えてしまったりすることも。
でも心配には及びません。今の良質なドライフードはかなり美味しくなっています。
当サイトでおすすめするドッグフードのように、人間が食べる品質レベルの材料を贅沢に使ったおいしいドッグフードを与えていれば、ガツガツ食べる様子にきっと満足できると思いますよ。
ドライフードはウェットタイプのように1回で使い切りというわけにはいきませんので、封を開けてから2~3週間は与えることになります。
いくら乾燥していて腐りにくいといってもそれだけ長期間になると傷んでくる可能性があります。
また、封を開けてから風味が飛んでしまい食いつきが落ちてくるかもしれません。
そのためメジャーなドッグフードには、変質を防ぐために保存料・酸化防止剤、風味を増すための香料などが添加物として使われていることが多いのです。
あくまでも安全と認められた範囲での使用ですが、添加物が気になる飼い主さんにとっては大きなデメリットになります。
Dr.ノブ
タロ
ウェットタイプのフードはもともとニオイが強いため、時間が経って傷んでくるとニオイで気づくことができます。
また、しっとり潤っている見た目も、時間とともに乾燥してくるのがわかるので早めに気づくことができます。
一方、ドライフードは器に入れてから時間が過ぎていても見た目で判断することは難しいです。
乾燥しているため変質してきていてもニオイで判断するのも困難でしょう。
傷んだフードを愛犬に食べさせることのないように、注意してあげる必要があります。
Dr.ノブ
ドライフードは手軽で扱いやすいのが特徴です。
飼い主さんにとってはありがたいフードなのですが、手軽なために品質管理がおろそかになりがちです。
デメリットをよく把握した上で適切に管理して与えるようにしましょう。