犬の皮膚の状態や毛づやが良くなる栄養と摂取できる食品

皮膚や毛づやが良くなる成分

全身が毛で覆われていて、さまざまな毛質や毛の長さをもつワンちゃんでは、皮膚や毛のトラブルはとても多いものです。

アニコムさんの統計でも皮膚疾患の罹患率は2割を超える結果が出ています。

多くの皮膚疾患は治癒しても再び発症する可能性があったり、ずっと治療やケアが必要であったりします。

そのため、犬では皮膚に対するサプリメントの種類が豊富です。

この記事では、皮膚トラブルを未然に防いだり、皮膚の状態を良くする効果が期待できる栄養成分についてまとめました。

合わせて、それらの栄養がどのような食品に含まれているかについても触れているので、ドッグフードにトッピングして摂取させる場合の参考にしてください。

不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)

関節用サプリにもよく使用されている不飽和脂肪酸は皮膚・被毛の健康を維持するための栄養素としても定番です。

抗炎症作用を期待して不飽和脂肪酸と抗ヒスタミン剤のコンビは以前の初期アレルギーの処方の定番でしたね。

オメガ3脂肪酸を含む食品

魚、特に青魚には不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

  • イワシ
  • サバ
  • サケ
  • マグロ
  • うなぎ

などをフードのトッピングに追加してあげるといいでしょう。

亜鉛

犬では亜鉛が不足すると目のまわりに厚いかさぶたができたり、パッドが角化亢進してひび割れたりする亜鉛反応性皮膚症という疾患になります。

良質なドッグフードを与えていれば亜鉛不足ということはまずありません。

しかし、シベリアンハスキーとアラスカンマラミュートでは遺伝的に亜鉛の吸収が悪く、この病気を発症することがあります。

また、他の犬種でも発育の早い大型犬(小型犬でも起こることあり)で、

  • カルシウムを多く与えている
  • 小麦含有量の多いフードを与えている

ことが引き金で発症する場合があります。

人の方では添加物の多い加工食品で亜鉛の吸収が阻害されることが言われているので、添加物の多い安価なドッグフードで亜鉛不足が起こる可能性もあります。

亜鉛を含む食品

人間では亜鉛を含む食品として一番に牡蠣(かき)が挙げられますが、ワンちゃんに日頃食べさせるものとしては適当とは言えませんね。

基本的に亜鉛は動物性食品に多く含まれているので、

  • 良質な肉類を主成分としている
  • 小麦を使用していないグルテンフリー
  • 添加物をあまり使用していない

という良質なドッグフードを与えていればほとんど問題ないでしょう。

さらに亜鉛の補給を考えるのなら

  • 豚レバー
  • 牛肉

をトッピングするといいでしょう。

犬用の亜鉛サプリも発売されているので、面倒ならこういうのを利用するのもいいですね。

メチオニン

メチオニンはシジミなどに多く含まれるアミノ酸の1種で肝機能を促進する効果が有名ですが、皮膚にも良いと皮膚用サプリにもよく使用されています。

メチオニンには抗酸化作用があり活性酸素を取り除く働きで老化を抑制することが期待できます。

また、アミノ酸なので毛を形成するタンパク質の材料となるもの。

さらにアレルギー症状の引き金となるヒスタミンの働きを邪魔する作用があるので、アレルギー症状の緩和も期待できます。

これらの働きが皮膚に良いとされる理由です。

メチオニンを含む食品

メチオニンは魚介類や肉類に多く含まれます。

特に

  • サバ
  • カツオ
  • タラ
  • イワシ
  • 牛乳
  • チーズ
  • 牛肉
  • 鶏肉
  • 豚肉

などは豊富に含んでいます。

これらの食品ならドッグフードのトッピングに使いやすそうですね。

L-システイン

L-システインもメチオニンと同じアミノ酸の1種です。

L-システインは女性の方は非常に馴染みの深い成分なんですよ。

「ハイチオール」と言えば分かるんじゃないでしょうか?

「ハイチオール」はL-システインの製剤で、ご存知のようにシミ・ソバカスの改善など肌の新陳代謝にいいとして非常に人気ですよね。

L-システインには、

  • 皮膚代謝の正常化
  • 抗アレルギー作用
  • 解毒作用

などが認められていて、ワンちゃんでもその有効性は変わりません。

脱毛症のワンちゃんに治療薬としてもよく処方されますよ。

L-システインを含む食品

L-システインを豊富に含む食品としては

  • にんにく
  • 玉ねぎ
  • 小麦
  • オート麦

などが挙げられますが、ワンちゃんにはにんにく、玉ねぎは厳禁です。

小麦もわざわざ与えるものでもありません。

さあ、困りましたね。

でも安心してください。

L-システインは体内で前述のメチオニンから生成されますので、メチオニンを多く含む

  • サバ
  • カツオ
  • タラ
  • イワシ
  • 牛乳
  • チーズ
  • 牛肉
  • 鶏肉
  • 豚肉

を与えていればOKです。

Dr.ノブ

安価なドッグフードから良質な肉中心のドッグフードに変えたら毛艶が良くなったというのは、メチオニンやL-システインが大きな役割を果たしているのでしょうね。

ビタミンE(トコフェロール)

強い抗酸化作用から”若返りのビタミン”とも呼ばれるビタミンEは、皮膚に対する栄養素としてもとても大切です。

ほとんどの皮膚サプリにも添加されていますね。

皮膚の治療薬としても使用されることも多く、「アロペシアX」のような難治の脱毛症においても、前項のL-システインとともにビタミンEがよく処方されます。

酸化しやすい不飽和脂肪酸を摂取しているとビタミンEが消費されるので、不飽和脂肪酸を強化した場合はビタミンEも強化してあげないといけません。

ビタミンEを含む食品

ビタミンEが豊富な食品としては

  • 魚介類(イワシ、アユ、うなぎ、など)
  • 大豆
  • 小麦
  • 植物油(小麦胚芽油、トウモロコシ油、大豆油)

などです。

含有量としては植物油がとても多いので、他のトッピング材料に少し垂らすといいかもしれません。

ただし、アレルゲンとなる食品が多いので、アレルギーの疑いがある子には向きませんね。

その場合は魚介類を使うか、サプリメントの使用を考えましょう。

ビタミンA

ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に必要な栄養素で、不足してくると皮膚炎になりやすくなります。

また、ビタミンAにも強力な抗酸化作用があり、老化を予防する効果も期待できます。

ビタミンAを含む食品

良質なドッグフードであれば十分なビタミンAが含まれています。

強化するとすれば以下の食品でビタミンAが豊富です。

  • 鶏レバー
  • 豚レバー

ただし、過剰摂取すると吐き気や発疹、妊娠犬では奇形児の原因になることがありますので、与えすぎには注意しましょう。

前駆体のβカロテン(体内で必要に応じてビタミンAに変わる)であれば過剰症の心配はありません。

βカロテンが豊富な食品としては、

  • ニンジン
  • ほうれん草
  • わかめ

など緑黄色野菜に多く含まれるので、これらをトッピングに利用してみましょう。

ビオチン

ビオチンはビタミンの1種で細胞を活性化させたり血糖値を維持したり、さまざまな生理作用で重要な役割を果たしています。

人間ではビオチンが不足すると髪が抜けたり白髪になる原因になります。

犬でも同様の作用があると考えられ、皮膚用サプリでもよく添加されています。

ビオチンを含む食品

ビオチンはさまざまな食品に含まれていますが、含有量が豊富でワンちゃんのフードのトッピングに使えそうなものとしては

  • 鶏レバー
  • 豚レバー
  • 牛レバー
  • 豚腎臓
  • 牛腎臓

などです。

Dr.ノブ

ビオチンは腸内細菌によってオリゴ糖などからも生成されるので、病気で抗生剤を飲ませていたワンちゃんではビオチンの生成が妨げられて不足している可能性があります。

グルコシルセラミド

美肌に気を使っている女性ならセラミドという言葉を知っている方は多いかもしれませんね。

セラミドは皮膚の細胞間にある脂質の1種。

皮膚の保湿やバリア機能に重要な役割を果たしています。

アレルギーの患者では、このセラミドのバランスが崩れていることがわかっていて、近年、注目の成分です。

グルコシルセラミドはセラミドの原料となる成分で、犬の皮膚用サプリメントでも導入されています。

グルコシルセラミドを含む食品

グルコシルセラミドは野菜を中心に多くの食品に含まれています。

特に豊富だと言われているのが

  • こんにゃく
  • 黒豆
  • あずき
  • ひじき
  • わかめ

などです。

穀物や牛乳などにも豊富ですが、アレルギーの心配がありますね。

まとめ

安いフードから高い良質なフードに変えたら毛づやがとても良くなったというのはよく聞く話です。

その背景にはこれらの栄養素がおそらく関係しているのでしょう。

中には治療薬レベルに効く栄養素もあるので、抜け毛や毛づやが気になるのなら、これらの栄養を強化してみてはどうでしょう。

ただ、毎日のことなので食品で摂取させるのはなかなか大変です。

手間を省くのなら、かかりつけの病院でおすすめのサプリメントを選んでもらいましょう。