愛犬が太ってしまったら?肥満解消のための6つの手順

飼い主さんの飼育上の悩みで、「愛犬が最近太ってきた」という相談をよく受けます。

「うちの愛犬もそう!」という方はとても多いんじゃないでしょうか?

ただ外見的にまるまるとしているだけならいいのですが、ドッグフードの与え過ぎに注意!肥満は病気で書いたように、太るというのは重い病気への優待券のようなもの。

明らかに太ってきているのなら、本格的にダイエットに取り組まなければなりません。

この記事では、すでに肥満になってしまったワンちゃんの体重を落とすための手順について解説しています。

摂取カロリーを減らすのが大事!補助的に適度な運動も

まずはじめに知っておいてほしいのは、ワンちゃんの場合、人のように運動で体重を落とすのはむずかしいということ。

長距離走が向いているのは人間くらいで、犬を含めてほとんどの動物は完全な短距離ランナー。

人間は持久力の必要な有酸素運動をすることで効果的にダイエットできますが、犬はマラソンのような持久力のいる運動は苦手です。

犬は汗をかかないですから、長時間の運動で体温の上昇するのを抑えることもむずかしいですしね。

なので、ワンちゃんの体重を落とすのは摂取カロリーを減らすことがメインになります。

運動も必要ですが、あくまでも適切な筋力と代謝を維持するためのものです。

手順0:家族の協力を得て間食をなくす

主食のドッグフードでカロリーを抑えても、間食にいろいろと食べていては効果は期待できません。

ダイエットをさせると固く決心したのなら、おやつ・間食のたぐいは一切与えないようにするのが理想です。

しつけのご褒美にどうしても必要という場合は、主食のフードを少量与えるとか、低カロリーのおやつを選んで与えるようにしましょう。

気をつけないといけないのが、主に世話をしている方が必死にダイエットに取り組んでいても、家族の中にこっそり食べ物を与える人がいるケース。

例えば、お母さんが頑張ってるのに、お父さんやおじいちゃん・おばあちゃんが陰でおやつを与えていて一向に体重が減らないというのはよくあることです。

最初に必ず家族全員の協力を取り付けてから、本格的な減量に取り組むようにしましょう。

手順1:減量用のドッグフードに変える

いったん太ってしまったら、体重を落とすためにはカロリー制限は必須です。

これまでのドッグフードの給与量を減らすという方法もありますが、本格的に体重を落とすのならこの方法はあまり向いていません。

かなりの食事量減になるのでワンちゃんがかなりひもじい思いをすることになります。

最近は、市販のドッグフードでもさまざまな低カロリーフードが販売されていて、無添加のプレミアムドッグフードにもいろいろ選択肢がありますので、これらのフードを利用しましょう。

ただし、低カロリーフードでもカロリー制限の弱い「肥満予防向け」のものでは体重は落ちません。必ず「減量用」を選ぶようにしましょう。

それでも体重が落ちないようなら、病院で扱う療法食の減量用フードを使ってみてください。

手順2:食事の時間をランダムにする

愛犬の食事は朝晩2回、時間を決めて与えている方が多いと思います。

しかし、犬は食事回数が多いほど太る?それとも少ないほうが太る?で書いたように、毎日同じ時間に食事を与えていると、その時間が近づくと胃や腸がスタンバイ状態になり、消化の効率が高くなってしまいます。

そのために、同じフードを同じ量与えていても、食事の時間を決めておくのと不規則に与えるのとでは前者の方が太りやすくなるのです。

極端にずらす必要はないですが、食事時間を毎日ランダムにして「もうすぐゴハン」と期待させないようにしてみましょう。

また、これまで食事が1日1回だった場合は2回に増やしてみましょう。

手順3:体を傷めない穏やかな運動をさせる

散歩の回数や時間は犬種や性格によって変わりますが、

  • 小型犬:10~30分を1日1~2回
  • 中型犬:30分を1日2回
  • 大型犬:1時間を1日2回

くらいはしてあげたいですね。

今までこれくらい散歩をしていたのなら、そのまま継続するようにしましょう。

もし、ここまであまり運動させてなかった or まったく散歩に行っていなかったのなら、いきなり運動量を増やすのはおすすめできません。

すでに太ってしまっているのですから、標準のワンちゃんに比べ関節や腰への負担はかなりのもの。

急激に運動量を増やすと体を痛めてしまうリスクが高くなります。

最初は愛犬の様子を見ながら、少しづつ運動を増やしていくようにしましょう。

いい感じに体重が落ちてきたら、標準くらいの散歩時間にする感じです。

手順4:体重の変化の記録をつける

漠然と体重を落とすのではなく、ゴールを決めて、それに向かって計画的に落としていく必要があります。

やみくもに減量させて痩せすぎさせてしまう飼い主さんがたまにいます。

まずは目標の体重を設定しましょう。

そのためには現時点の肥満度をボディコンディションスコア(BCS)で評価しておきます。

以下の表から、今の愛犬のBCSを出してみましょう。

BCS シルエット 判断のポイント
 1
やせすぎ
 BCS1 肋骨:脂肪がなく容易に触れる
腰部:脂肪がなく骨格が見た目にわかる
腹部:お腹のくぼみが深く、極端な砂時計のようなシルエット
体脂肪率:5%以下
 2
やせ気味
 BCS2 肋骨:脂肪がごく薄く、容易に触れる
腰部:脂肪がごく薄く、骨格の形がわかる
腹部:お腹がくぼんで砂時計のようなシルエット
体脂肪率:6~14%
 3
理想体重
 BCS3 肋骨:薄く脂肪に覆われて、触ることができる
腰部:なだらかな輪郭で少し厚みがあり、薄い脂肪の下に骨格を触ることができる
腹部:お腹のくぼみは浅く、適度な腰のくびれがある
体脂肪率:15~24%
 4
太り気味
 BCS4 肋骨:中等度の脂肪に覆われて、触ることがむずかしい
腰部:なだらかな輪郭で厚みがあり、骨格をかろうじて触ることができる
腹部:お腹や腰のくぼみがなく、上から見るとわずかに広がっている
体脂肪率:25~34%
 5
太りすぎ
 BCS5 肋骨:厚い脂肪に覆われて触ることができない
腰部:厚みのある見た目で、骨格を触ることが困難
腹部:お腹は垂れ下がり、上から見ると横に広がっている。尾の付け根にも脂肪がついている
体脂肪率:35%以上

今のBCSが出せたら目標はBCS3になること。

今のBCSからBCS3が何kgになるか推測しましょう。それが目標体重です。

分からなければかかりつけの病院で診てもらいましょう。カルテに太る前の記録が残っていれば正確な理想体重がわかります。

ダイエットを開始したら1週間に1度は体重を計りましょう。

急激な減量は良くないので、だいたい週に1~3%の範囲で落としていきます。

現時点の体重と目標体重の差にもよりますが、3ヶ月で目標体重を達成するつもりでがんばってください。

手順5:目標体重に達したら肥満予防用の低カロリーフードに変える

目標体重に達した後、生活をもとに戻してしまえば、結局リバンウンドしてしまいます。

この辺は人間と一緒ですね。

運動は、体重が落ちても標準的な散歩量をそのまま維持しましょう。

ドッグフードはそのまま減量用を食べていると痩せすぎてしまいますが、以前のフードに戻すとまた太ってしまいます。

そこで、肥満予防用のカロリー制限のゆるいフードに切り替えるようにしましょう。

まとめ

完全に肥満になってしまったら、愛犬を長生きさせるためにも本格的にダイエットに取り組むことをおすすめします。

無計画に行っても失敗したり、かえって体に悪いので、家族全員で力を合わせて計画的に行いましょう。