犬に与えてはいけない食べ物6:ほうれん草

完全栄養食であるドッグフードを与えていても、健康志向なのか野菜を混ぜて与えている飼い主さんはけっこういます。

キャベツ程度なら支障はないですが、ものによっては病気の原因になることもあるのです。

また、肉食から雑食へと変遷してきたワンちゃんは、野菜をうまく消化できないという面もあります。

愛犬のためにしているのに実は健康を害していたなんてなったら嫌ですよね。

この記事では、ワンちゃんに与えない方がいい野菜の代表のほうれん草についてお話します。

ドッグフードにトッピングをしたり手作り食を食べさせている方はぜひご一読ください。

Dr.ノブ

ドッグフードには何も加える必要はありませんが、トッピングや手作り食には愛犬とのコミュニケーション上、大きなメリットがありますね。
犬はおいしいものをくれる人に弱いんだ。

タロ

ほうれん草は結石の原因になる

犬には尿路結石が多いことをご存知ですか?

実数の比較はできませんが、人と比べて感覚的に犬のほうが多いように思います。

その多くは膀胱結石で砂状のものから大きな1個の塊状の結石までさまざまです。

結石にはいくつかの種類があり、もっとも多いのがストルバイト結石と呼ばれるもの。

次いで多いのがシュウ酸カルシウム結石です。

ほうれん草を食べさせるとこのシュウ酸カルシウム結石ができやすくなります。

シュウ酸をたくさん含むほうれん草

人では痛風の人が食べてはいけない野菜として知られるほうれん草には、プリン体だけでなくシュウ酸もたくさん含んでいます。

結石の構成成分のシュウ酸をたくさん摂取すればそれだけ結石ができやすくなってしまうのは当然です。

ほうれん草は野菜の中でもシュウ酸含有量が飛び抜けて多く、産地によってかなりばらつきがあり、少ないもので100g中200mg、多いものだと1,000mgを超えるシュウ酸を含んでいます。

ほうれん草を食べさせたら必ず結石ができるわけではないですが、結石のできるリスクを高めてしまうことになるのです。

MEMO
キャベツで100mg/100g、じゃがいもで42mg/100gのシュウ酸が含まれています。

命を落とすこともある尿道結石

尿路結石の多くは膀胱で発生します。

しかし、結石のサイズが小さいと排尿時に流されて尿道へと移動することがあります。

そのまま尿と一緒に出てしまえば問題はないのですが、途中で引っかかってしまったものが尿道結石です。

尿道が太く短いメスでは尿道結石になることはほとんどありません。

しかし、オスは尿道が細く長いため、尿道に結石が引っかかりやすいのです。

おまけに、犬のペニス部分には尿道を取り囲むように軟骨があり、尿道が広がらないためによけいに結石が詰まりやすいというわけです。

この結石、膀胱にあるうちは膀胱炎を起こして頻尿や血尿が出る程度なのですが、尿道結石になると尿が出にくくなり腎不全になってしまうことがあります。

完全に詰まって尿が出なくなると、あっという間に死んでしまうので要注意です。

茹でるとシュウ酸を減らすことができる

シュウ酸はいわゆる”アク”の成分なので、ほうれん草を茹でてアクを抜くことで、シュウ酸の含有量を半分くらいに減らすことができます。

それでも他の野菜に比べたら多いですし、ほうれん草でなければいけない理由はないので、わざわざ与える必要はないでしょう。

Dr.ノブ

同じようにアクが多くあるタケノコもシュウ酸を多く含んでいます。
アクの多いとされる野菜は避けるのが無難でしょう。

他の野菜を与える場合も茹でる必要があります

シュウ酸含有量の少ない野菜でもワンちゃんに与える際は注意が必要です。

本来、犬科の動物は野生では直接植物を食べることはありません。

食べても消化が悪いため、十分な栄養を摂取することができないのです。

MEMO
自然では狩りをして捕えた獲物の内臓を食べることで、消化された植物を栄養にすることができます。

なので、家庭で野菜を与える場合には、ミキサーで細かく砕いてしまうか茹でて消化しやすくしてあげる必要があります。

Dr.ノブのアドバイス

ワンちゃんを散歩に連れて行くと草を食べることがよくありますが、あれは食べ物として食べているわけではありません。
食べるのは必ず先の尖った細長い草で、それを食べることで胃の粘膜を刺激して嘔吐するためなのです。
胃にたまった砂や石などを自ら吐き出すための本能です。
けっして野菜が足りなくて食べているわけではありませんからね。
飼い犬は吐く必要がないので草は食べさせないようにしましょう。

結石ができやすくなる他の食べ物

前述の通り、犬でもっとも多い結石はストルバイトという種類の結石です。

正式にはリン酸アンモニウムマグネシウムという成分からなる結石で、その中に含まれるマグネシウムが結石形成のキーとなります。

シュウ酸をたくさん摂取するとシュウ酸結石が発生しやすいのと同様に、マグネシウムをたくさん摂取すればストルバイト結石が起こりやすくなります。

マグネシウムを多く含む食品には海藻や煮干しなどの海産物に多く、おやつなどでこれらを与えすぎないように注意しましょう。

Dr.ノブ

犬の結石用の療法食はマグネシウムを制限する加工がされています。
また、尿がストルバイトのできにくい酸性に傾くように調整されています。

まとめ

ほうれん草はシュウ酸結石による尿石症になりやすくなるので、なるべく与えないようにしましょう。

もし、与えるのならシュウ酸を減らすために茹でることが必須です。

また他の野菜を与える場合にも、消化を良くするために必ずミキサーなどで細かく砕くか、茹でてから与えるようにしましょう。

本来、完全栄養食のドッグフードを与えているのならわざわざ野菜を与える必要はありません。

あくまでも食いつきを良くするためのトッピングとして少量与える程度にしておきましょう。

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