一昔前は、犬に服を着せている方は少なかったのですが、最近はワンちゃんのファッションとして定着してきましたね。
今では有名ブランドが犬用の服を出していたりもして、人間顔負けにファッショナブルだったりします。
もともとは飼い主さんの趣味でワンちゃんに着せる服ですが、実は健康面でのメリットもあるのです。
この記事では、犬用服の健康面でのメリットについて解説します。
人は肌を守るために紫外線対策をしますが、ワンちゃんでも紫外線は皮膚にとってよくないものです。
一般に、犬は体を毛で覆われているので紫外線対策はいらないと思われがち。
しかし、白い毛のワンちゃんや毛の薄いワンちゃん、短毛のワンちゃんなどでは紫外線の悪影響がでやすいです。
皮膚に問題があって脱毛している子ならなおさら紫外線のリスクは高く、サンスクリーン剤を塗ることを指示することさえあります。
服を着せることによって、これらの紫外線によるトラブルを未然に防ぐことができます。
夏の暑い日の陽が高い時に散歩に行くことはないと思いますので、UVカット加工の素材でなくても十分でしょう。
Dr.ノブ
寒い時期もまた、犬は毛皮を着ているので寒さの問題はないと思われがちです。
しかし、やはり毛の少ない子では服を着せて寒さ対策をしてあげたほうがいいでしょう。
また、体の小さなワンちゃんも体温を奪われやすいので、毛が十分あっても服を着せてあげた方がいいと思います。
Dr.ノブ
アトピーのワンちゃんでは、環境中のアレルゲン(花粉やハウズダストなど)が皮膚に付着してアレルギーを起こします。
特に腋や内股、お腹付近は毛が薄いためアレルゲンが付着しやすい部分。
服を着せることで、これらの部分へアレルゲンが付着するのを防ぐ効果が期待できます。
最近はアトピーのワンちゃん用にアレルゲン防止に特化したアレルギースーツも開発されています。
Dr.ノブ
ワンちゃんにとっては、服を着ていなくても何とも思いませんし、裸で恥ずかしいなんて思いもありません。
反対に、どんなにかわいい服を着せてもらっても、それを自覚することもありません。
ワンちゃんに服を着せるのはあくまでも飼い主さんの満足感のためです。
とはいえワンちゃんにとっても、服を着せてもらうことで飼い主さんとのスキンシップやコミュニケーションが増えて幸せな時間が増えるのも確かなこと。
上に書いたような健康上のメリットと合わせて、ワンちゃんも飼い主さんもウィンウィンの関係になれますね。
服を着せることにほとんどリスクはありませんが、以下のようなデメリットは考えられます。
一昔前は、犬用の服はけっこうお高かったのですが、普及に伴ってかなり手頃になってきました。
ブランドにこだわらなければ2,000円以下で普通に買えますし、安いものだとワンコインで買えちゃいます。
それでも毎日着替えるとなるとストックが必要なので、それなりに出費を覚悟しないといけません。
Dr.ノブ
愛犬のその痒み、本当にアレルギー?で書いたように、犬の体全体に分布する汗腺はアポクリン腺という分泌腺です。
このアポクリン汗腺、人では脇の下、会陰部、耳などにしかありません。
アポクリン汗腺の分泌液は脂質やタンパク質からなり、人で分布している部位で分かるようにニオイの強いもの。
清潔に保つには、人の下着のように毎日着替えるのがベターです。
さらにアトピーを持っているワンちゃんなら、できればアレルゲンを避けるために散歩毎に着替えたいくらいです。
こまめに着替えさせるとなると、その手間はデメリットと言えるかもしれません。
Dr.ノブ
急性の膿皮症では半日であっという間にただれてきますからね。
ワンちゃんの服というとファッション目的の印象が強いですが、ワンちゃんにとってもメリットはあります。
外で飼われることの多かった時代と違い、今は室内飼いの小型犬が主流。
紫外線対策や寒さ対策のアイテムとして有用です。
さらに愛犬にアトピーがあるのならアレルゲン対策としても効果が期待できます。
(ただし肌の刺激とならない素材を選ぶ必要があります。本格的にアレルゲン防止を考えるのならアレルギースーツを選びましょう)