低アレルゲンのドッグフードは子犬の時から食べさせたほうがいいの?

食物アレルギーはアトピーと違い、早い子では生後半年くらいから症状が出てくることがあります。

>>食物アレルギーとアトピーの違い

そのためか、最近はアレルギーに配慮した低アレルゲンフードには成長期の子犬でも食べせられる製品が増えてきています。

愛犬が将来アレルギーで苦しまないように子犬の時から低アレルゲンフードを選びたいという飼い主さんは多いかもしれません。

実際のところ、まだ症状も出ていない段階で予防的に低アレルゲンフードを子犬に食べさせるのは有効なのでしょうか?

食物アレルギーに関してまだわかっていないことが多いですが、現在わかっていることを踏まえて一番いい方法を考察してみました。

アレルゲンに感作されて食物アレルギーを獲得するのは離乳期前後

今アレルギーではない愛犬に対し、アレルギーにならないように低アレルゲンフードを食べさせている方が多いですが、純粋にアレルギーを獲得しないためという目的ではあまり意味がありません。

というのも、アレルゲンに感作されてアレルギーを獲得してしまうのは離乳期前後の頃だと考えられているからです。

犬では人に比べて食物アレルギーのメカニズムは十分解明されていませんが、離乳期の頃の腸粘膜のバリア機能が未熟なので、タンパク質であるアレルゲンが容易に通過でき、多くのアレルゲンに曝されるためにアレルギーを獲得してしまうと考えられています。

人間で赤ちゃんはアレルギー予防のために母乳で育てることが推奨されているのと同じように、犬でも離乳期にアレルゲンとなりやすい食品を食べさせない方がいいのです。

成犬になって感作される可能性もある

離乳期にアレルゲンに感作されるといっても、成犬になっってからアレルギーを獲得することがまったくないわけではありません。

成犬になって腸粘膜のバリア機能が成熟しても、病気や炎症で機能が損なわれてアレルゲンが大量に侵入してくるということもあります。

アレルゲンが侵入したとしてもアレルギーになってしまうかどうかは体質の問題なので、確率としてはあまり高いものではありません。

じゃあ、症状のない成犬に低アレルゲンフードは意味がないのか?

上に書いたように、アレルギーの獲得を予防するという目的では費用対効果がいいとは言えないようです。

しかし、食物アレルギーの初期では飼い主さんが症状に気づかないことがほとんどです。

場合によっては、皮膚の症状はなくてウンチが少しやわらかいとか、ウンチの回数が多いという兆候しか出ていないこともあります。

愛犬が1日3回以上ウンチをしてませんか?それは食物アレルギーかもしれません

このようにアレルギーは持っているけれど症状が見逃されている症例では、低アレルゲンフードを食べさせることで進行を防ぎ症状を悪化させないことが期待できます。

Dr.ノブ

見かけ上は、アレルギー獲得を予防したのとアレルギーの進行を防いだのとの区別はできません。
なので、広い意味で成犬に予防的に低アレルゲンフードを食べさせるというのは間違いではありませんし、むしろオススメします。

離乳期に低アレルゲンフードを与えるとその材料に対してアレルギーを獲得するかも

さて次に、問題の離乳期前後に低アレルゲンフードを食べさせるべきか?という話です。

(ここでいう低アレルゲンフードとはグルテンフリーやグレインフリーやだけでなく、アレルゲンとなりにくいタンパク源を単一のみ使用したものを指します。)

このことは獣医師で統一した見解があるわけでなく、僕の考えをいいます。

普通に考えると、この時期に食べたものがアレルゲンになる可能性があるのならば、低アレルゲンフードを食べさせるのは理にかなっているように思えます。

しかし、低アレルゲンの食品でもアレルゲンになることがないわけではありません。

運悪く、

低アレルゲンフードに使用されている食材に対してアレルギーを獲得してしまったら?

と考えると、手放しで

「離乳期にも低アレルゲンフードを食べさせるのがいい」

とは言えないように思うのです。

特に問題と思うのがタンパク源。

炭水化物源は各ブランドによってさまざまで、まったく同じ材料を使っていることはあまりありません。

それに対し、タンパク源はたいてい

  • ラム
  • ターキー
  • ダック
  • サーモン

など使われており、あまり種類は多くありません。

もしもこれらに対してアレルギーを獲得してしまったらどうなるでしょう?

低アレルゲンの食品に対してアレルギーを起こす子なら、鶏・牛・豚などの入った離乳食も食べていれば、これらに対してもアレルギーを獲得してしまっている可能性は高いでしょう。

将来、食物アレルギーが表面化した時に、食べさせられる低アレルゲンフードの選択肢が狭められてしまいます。

低アレルゲンのタンパク源もアレルゲンとなってしまったら、将来的には治療のための療法食(ヒルズのZ/dウルトラやロイヤルカナンのアミノペプチドフォーミュラ)しか食べさせるものがなくなってしまいます。

そういう意味で僕は、低アレルゲンのタンパク源を使用したフードを離乳期に与えたほうが良いとは思えないのです。

アレルゲンとなりやすい小麦・卵を最低限回避がおすすめ

人では、アレルゲンとなりやすい3大食品は

  • 牛乳
  • 小麦

ですが、それは犬でもほとんど変わりません。

これらは非常にアレルゲンになりやすく、鶏肉・豚肉・牛肉とは比べものになりません。

前述の通り、人の赤ちゃんと同様に離乳期前後にはこれらアレルゲンとなりやすい食品はできるだけ避けたいものです。

小麦・卵・牛乳もブリーダーやペットショップの段階で口にしてしまっている可能性は高いですが、少しでもアレルギー獲得の確率を減らすためにもこれらを使用していないフードがベストでしょう。

これまでのことをトータルすると、

  • タンパク源は通常の鶏肉・豚肉・牛肉を使用
  • グレインフリーあるいはグルテンフリーで卵や牛乳を使用していない

この条件を満たす低アレルゲンフードを離乳期に食べさせるのがいいと考えています。

離乳期を過ぎたら低アレルゲンのタンパク源使用のフードもOK

ちょっとややこしかったですか?

基本は離乳期前後にはアレルゲンとなりやすい小麦・卵・牛乳は避けるということです。

ただ、低アレルゲンのタンパク源を食べさせると、将来的な選択肢が減るのでそこは普通でいいのではないか、という話。

離乳期は2~3週間のことなので、ぜひその間だけでも気をつけましょう。

その後は、単一のタンパク源を使った本格的な低アレルゲンフードに変えても問題ありません。

または、以降は普通のフードを食べさせて、運悪くアレルギーになってしまった時点で低アレルゲンフードを考えるというのも1つの方法でしょう。

その辺は飼い主さんの考え方なので、どちらでもいいと思います。

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