高齢のワンちゃんはドライフードを与えない方がいい?

愛犬が年を取ってくると「ウエットフードに変えたほうがいいですか?」と尋ねてくる飼い主さんが結構います。

ドライフードはウエットフードに比べて消化が悪いという印象があるので、老犬だとうまく消化できないのではないか?と感じるようです。

あるいは歯石がたまって歯周炎になっていたり何本も歯が抜けてしまっている子も多いので、ドライフードは老犬が食べるのには固すぎるのではないかという心配も。

実際のところ、高齢のワンちゃんでもドライフードのままで全然問題ない場合と、ウエットフードに変えた方がいい場合があります。

この記事では両方の具体的なケースを挙げて解説しています。

年を取ってもドライフードを問題なく食べられる

食べれるぞい

基本的に、年を取っていても健康であればドライフードを食べ続けても何も問題はありません。

固いドライフードでも食べにくいとか消化に悪いということはないのです。

なぜなら、本来、犬は丸呑みに近い食べ方をする動物だからです。

ワンちゃんの歯は咀嚼するようにはできていない


引用:Surgeon102号

もともとワンちゃんの臼歯(奥歯)は人の奥歯とは形状が全然違っています。

人の場合は臼歯という名前の通り、噛み合わせ面が平たく臼(うす)のようになっていて、食べ物をすりつぶすのに適した形をしています。

昔から、健康のため30回は噛むように言われますよね。

もともと雑食の人間では消化を助けるためによく噛んで食べる必要があったのです。

それに対して肉食からきているワンちゃんの奥歯は、まるで険しい山脈のような尖った形をしていて、食べ物をすりつぶすようにはできていません。

ワンちゃんの奥歯は裂肉歯といって、肉を噛みちぎったり骨を噛み砕いたりするためのもので、すりつぶす機能はないのです。

若い犬がドライフードをバリバリ食べていても、実際は細かくすりつぶしているわけではなく、軽く噛み砕いているだけでほぼ丸飲みに近い状態。

なので、老犬になってあまり噛めなくなって、丸飲みになっても状況はほとんど変わらないのです。

Dr.ノブ

愛犬が食べたものを吐いた時に、ドライフードの粒がそのままに出てきたのを見たことがありませんか?
ワンちゃんが飲み込んだドライフードは普段からあの状態なのです。

ドライフードは消化がよく丸飲みでも全く問題ない

犬がほとんど咀嚼しないので、ドライフードは最初から丸飲みしてもちゃんと消化されるように作られています。

人の固い食べ物は、丸飲みすると消化が悪くて胃が痛くなったりしますが、ワンちゃんがドライフードを丸飲みしてもそんなことはありません。そのまま飲み込んでもとても消化が良いのです。

老犬が噛まずに丸飲みしていても、心配する必要はありません。

老化が進んで消化機能が極端に衰えたならともかく、元気なうちはドライフードのままで全然問題ないのです。

ウエットフードに切り替えた方がいい場合

ウエットフードとドライフードの重さ

前述のように噛まなくても消化の良いドライフードですが、老犬の状況によってはウエットフードに変えてあげたほうがいい場合があります。

歯周病で噛むと痛がる

ワンちゃんは虫歯にはほとんどなりませんが、歯石がたまりやすく、歯周炎をよく起こします。

普段、ドライフードを食べているとウエットフードに比べて歯石はたまりにくいですが、それでも歳を重ねるとたまってきます。

歯周炎がひどくなったり、根っこに膿がたまる歯根膿瘍になってしまったり、あるいはさらに進んで歯がグラグラになってしまうと、ドライフードを噛む時に痛がることがあります。

本来は、麻酔をかけて歯石の除去や抜歯をするべきですが、老犬で積極的に処置できないことも多くあります。

そういう場合には、ドライフードをふやかしてから与えたり、ウエットフードに切り替えてあげたほうがいいでしょう。

かえって歯が抜けてしまえば、ドライフードでも問題なく食べられます。

Dr.ノブのアドバイス

まだまだドライフードで大丈夫なのに柔らかいフードに切り替えてしまうと、今まで以上に歯石がたまりやすくなります。
ウエットフードにするなら歯のケアとセットで考えてください。

食欲が落ちてきてドライフードをあまり食べなくなった

年を取ってくると運動量が減って、それにつれて食事量も減っていきます。

元気に動いているうちはいいのですが、衰えが進んで寝てばかりになると食欲そのものが落ちてきます。

一般にワンちゃんはドライフードよりもウエットフードの方を好んで食べる傾向にあります。

なので、これまで食べていたドライフードをあまり食べなくなったら、食欲を維持するためにウエットフードに変えてあげる必要があるかもしれません。

Dr.ノブのアドバイス

年を取って食欲が落ちてきた場合、老化にともなう食欲の衰えとは限りません。
食欲が減ったなと思ったら、必ず、病院で診察を受けて病気の可能性がないかを調べてもらいましょう。
その上で異常がなかった場合に、ウエットフードやホームメイドのフードなど、食べそうなものを工夫してあげてください。

まとめ

愛犬が年を取ってきたからとドライフードを止める必要はありません。

ウエットフードに切り替えるのは必要性が出てきてからで遅くないので、元気なうちはできるだけドライフードのまま行きましょう。

もともとウエットフードの子、あるいは早めにウエットフードに切り替える場合には、歯石予防の歯みがきをできるだけ併用してください。

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