愛犬が繰り返す皮膚炎(膿皮症)!原因はドッグフード・アレルギー・ホルモン異常などさまざま!

愛犬に皮膚炎が起こった経験のある飼い主さんはとても多いと思います。

犬の表皮は人のよりも薄いため皮膚トラブルは起こりやすいもの。

幸い、たいていは治療への反応がいいため1、2回の通院で完治してしまいます。

問題は繰り返す皮膚炎。

一旦きれいに治ってもたびたび再発してしまうことが珍しくありません。

この記事では、何度も皮膚炎を繰り返す原因についてまとめてみました。

※皮膚炎の種類にはいろいろありますが、ここでは最も一般的な細菌性皮膚炎(膿皮症)に絞って解説しています。

犬の皮膚炎(膿皮症)はうつるものではない

再発の原因について説明する前に、膿皮症について簡単に解説します。

膿皮症を起こす細菌にはいろいろありますが、主な原因菌はStaphylococcus pseudintermediusというブドウ球菌の1種。

この菌はワンちゃんの被毛に普通に棲んでいる常在菌で、他の犬や動物から感染するわけではありません。

何らかの原因で皮膚がこの菌にとって繁殖しやすい環境になることで、皮膚炎を起こしてしまうのです。

なので、基本的にうつる類の病気ではないのです。

ただし、菌がたくさん存在するただれている部分に密着することで、うつってしまうことはあるかもしれません。(人間の”とびひ”のように)

Dr.ノブ

真菌性皮膚炎、ダニ(疥癬)など感染力の強い皮膚炎もあります。

これらについてはまた別の記事で解説します。

それでは皮膚炎(膿皮症)を繰り返す原因について見ていきましょう。

1歳未満の若い犬

子犬のうちは膿皮症に非常になりやすく、これまで膿皮症になったことのある犬の多くが1歳未満のときに経験しています。

これは子犬の皮膚の免疫能が未熟で、1歳くらいになってようやく成熟するためです。

なので、成長期に膿皮症を繰り返していても、1歳になる頃には収まってくることがほとんどです。

この時期に繰り返し膿皮症になっていても、その都度、治療(抗生剤)できれいに治っているのならあまり心配はいりません。

Dr.ノブ

治療の反応が悪い場合は、真菌やアカラス(ダニの1種)がベースにある可能性があり、まったく違う治療が必要で治りも悪くなります。

アトピーがある

アトピーとは花粉やハウスダストなど環境アレルゲンによるアレルギーのこと。

ドッグフードのような食べ物で起こる食物アレルギーとは別のものです。

犬のアトピーと食物アレルギーの違い 犬ではアトピーと食物アレルギーは違うものなのを知っていますか?

アトピーがあると痒みのために自分で皮膚を傷つけてしまい、膿皮症を併発してきます。

主に2歳頃から発症します。(1~6歳まで幅はあります)

抗生剤による治療で膿皮症は治っても、アトピーがそのままだと自傷を繰り返して膿皮症を何度も再発するのです。

Dr.ノブ

アトピーではマラセチア(真菌の1種)による皮膚炎もよく起こります。

ドッグフードが合わない(食物アレルギー)

犬が食物をアレルゲンとする食物アレルギーを持っていて、食べているドッグフードにその食べ物が含まれていればアトピーの場合と同様のことが起こります。

アトピーと違い1年を通して痒がったりステロイドがあまり効かないという特徴はありますが、痒みの出る場所はアトピーとほぼ同じで症状からはアトピーとの区別はできません。

確定診断のために食物制限試験が必要です。

Dr.ノブ

症状がそれほどひどくないのなら、市販の低アレルゲンフードで様子を見るのも1つの手です。

ホルモン異常がある

皮膚炎を繰り返す原因の1つにホルモン異常があります。

問題となるのは2つのホルモン。

もっとも多いのは甲状腺ホルモンによるもの。

甲状腺は喉にある分泌腺で、甲状腺ホルモンは体の代謝を司る作用があります。

甲状腺機能低下症によって甲状腺ホルモンが不足してくると、たびたび膿皮症を繰り返す原因になります。

シニア以降の世代に多く、太ってきたり脱毛を伴うこともよくあります。

もう1つは副腎皮質ホルモン。

腎臓のすぐ横にある副腎という分泌腺から出るホルモンで、分泌量が異常に増加することで免疫力が低下して膿皮症になりやすくなります。

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)として知られ、お腹が垂れ下がってきたり、多飲多尿、脱毛などの症状も見られます。

別の原因による皮膚炎がある

前述のように、皮膚炎は細菌以外に真菌や疥癬・ノミなどの寄生虫で起こっていることも。

最初に細菌以外の原因があって、そこにあとから細菌が繁殖することもよくあるパターン(続発性膿皮症)。

このようなタイプでは、抗生剤で細菌が抑えられて良くなったように見えても、他の原因に対する治療をしない限り何度でも膿皮症を繰り返します。

Dr.ノブ

よくあるのがノミアレルギー性皮膚炎。
ノミの寄生に気づいていないといつまでも治りません。

治療期間が不十分だった

皮膚の浅い部分に起こる膿皮症(表面性膿皮症)では、抗生剤を飲ませると数日できれいになってきます。

見た目にきれいになると投薬をやめてしまう飼い主さんが多いのですが、膿皮症では軽いものでも2~3週間の内服が必要です。

途中でやめてしまうことで、しばらくしてから症状が再燃してしまうのです。

この場合は、見た目にはきれいになっても完治していなかったということ。厳密には再発ではなく、ただ症状がぶり返したに過ぎません。

Dr.ノブ

感染がやや深い部分にまで達していた場合(表在性膿皮症)には、2~3週間の投薬でも不十分で再燃してしまうこともあります。

皮膚の環境が悪い

環境が悪い=細菌が繁殖しやすい環境だと、皮膚炎を繰り返す原因になります。

  • 犬が普段いる場所が不潔であったりジメジメしている
  • 犬の皮膚・被毛が汚れたまま

であれば、せっかく治療して良くなっても再発するのは当然です。

見落としやすいのは毛玉。

毛玉の部分は蒸れて皮膚炎を起こしやすくなっています。

毛が細く柔らかいワンちゃんでは手入れを怠らないようにしましょう。

まとめ

たいてい簡単に治る膿皮症ですが、繰り返す場合には他の原因を探す必要があります。

この記事では再発の主な原因を取り上げました。

病院では最初に真菌やダニもチェックしますが、必ず検出できるわけではなく、見逃してしまっていることも。

また、他の原因(ホルモン、アレルギー)は疑われる症状がなければルーチンに調べる事はありません。

たびたび皮膚炎を繰り返していて心配でしたら、かかりつけの先生に遠慮なく相談して検査をお願いしてみましょう。

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