オリゴ糖は人の健康を考えた食品やサプリなどでよく使用されているので名前は聞いたことがあると思いますが、実際のところどういう成分でどんな効果があるのかよくわかりませんよね。
このオリゴ糖、ドッグフードの原材料としてもよく入っていたりします。
と言っても、安価なフードではあまり使われることはなく、無添加を売りにするようなプレミアムドッグフードでよく使用されています。
この記事では、オリゴ糖に期待される効果とドッグフードに使用される理由について調べてみました。
オリゴ糖とは、いくつかの単糖がつながってできる糖の一種。
単糖とは、ブドウ糖や果糖(フルクトース)などそれ以上分解できない最小単位の糖のこと。
オリゴ糖は単糖がだいたい2~20個くらい結合してできた物質です。
つまりオリゴ糖というのは1つの物質の名前ではなく、それらの特徴を持つ糖の総称ということですね。
有名なオリゴ糖としては、ショ糖と1~3個の果糖からなるフラクトオリゴ糖やガラクトースを主成分としたガラクトオリゴ糖などがあります。
オリゴ糖は糖の1種と書きましたが、栄養成分で分類すると食物繊維の仲間です。
食物繊維とは炭水化物に含まれるもので、炭水化物のうち消化・吸収されて血糖値を上昇させるものを糖質といい、消化・吸収されず血糖値を上昇させないものを食物繊維といいます。
つまり、オリゴ糖は甘みのある糖でありながら、消化も吸収もされず、血糖値を上昇させることもなく、そのまま大腸にまで達するという特徴を持つのです(難消化性といいます)。
吸収されずに大腸に届いたオリゴ糖はそのまま排泄されるわけではなく、大腸において腸内の乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、腸内環境を整えることでさまざまな効果を発揮します。
オリゴ糖の効果としては
- 乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌を増殖を助ける
- 善玉菌が増えることで大腸菌やサルモネラ菌など有害な悪玉菌を抑制する
- 腸内環境が改善することで便秘や下痢が解消する
- 善玉菌によってオリゴ糖は発酵し、作られた短鎖脂肪酸がエネルギー源になる
などが起こります。
このように消化されずに大腸内で善玉菌の増殖や機能増強し、健康に好ましい効果を与える物質をプレバイオティクスといいます。
オリゴ糖はプレバイオティクスとして代表的な物質なのです。
Dr.ノブ
ちょっとややこしいですね。
上に書いたオリゴ糖の効果は人で言われていることですが、ワンちゃんにおいてはどうなんでしょう?
犬にフラクトオリゴ糖を与えた実験では、やはり善玉菌の乳酸菌が増加し悪玉菌の大腸菌やクロストリジウムが減少するという結果が得られています。
なので、ワンちゃんでもオリゴ糖は腸内環境を整えて、さまざまな効果を発揮することが期待できそうです。
だから近年のプレミアムドッグフードでは、プレバイオティクスの観点からオリゴ糖を添加している製品が多くなっているというわけなんです。
Dr.ノブ
オリゴ糖は食物繊維であり機能性食品。
人工合成されているわけではなく、てん菜など植物から作られるナチュラルなものなので、安全性の高い物質です。
ドッグフードに添加されているといっても多量に入っているわけでもないので、リスクはまったく考える必要はないでしょう。
今食べさせているドッグフードにオリゴ糖が配合されていなくても、前述のように植物に含まれる天然成分なので、オリゴ糖を多く含む食品をドッグフードのトッピングに使えば、その効果が期待できるのではないでしょうか?
そこでどんな食品に含まれているかを調べたところ
- ごぼう
- 大豆
- 玉ねぎ
- にんにく
など、けっこう限られた食材しかありませんでした。
玉ねぎやニンニクはワンちゃんにはNGですから、使えそうなのはゴボウか大豆くらいですね。
犬のオリゴ糖の摂取量の目安というのはないですが、人では1日3~8gが摂取の目安になっています。
犬でオリゴ糖の効果が見られたという実験では15mg/kgくらいで投与されているので、10kgのワンちゃんで150mg程度でしょうか。
1番含有量の多いゴボウで100gあたり3.8gということなので、1日にゴボウ4gという計算になります。
4gはトッピングするにはちょうど良い量ですが、問題はワンちゃんがゴボウを食べてくれるかどうかですね。
オリゴ糖を添加したフードを食べさせ方が手っ取り早くていいかもしれません。