犬の食事は散歩に行く前と帰ってからのどっちの方がいい?

みなさんは愛犬と散歩に行く時に、ドッグフードを食べさせてから行っていますか?

それとも散歩から帰ってきてから食べさせますか?

これまであまり意識してこなかったかもしれませんね。

この記事では、散歩の前と後で食事を与えた場合のそれぞれのデメリットについてご紹介します。

獣医師の観点からの意見を紹介しますので、どちらが愛犬にとっていいのか今一度考えてみましょう。

Dr.ノブ

どっちでも変わらないように思うかもしれませんが、健康面では大きな違いがあります。
どうせなら行く前と帰ってきてからの両方食べさせて。

タロ

食事を済ませてから散歩に行くデメリットは?

人は朝や昼に食事をしてから活動しますから、愛犬も同じようにドッグフードを食べさせてから散歩に行くという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、食後に運動すると主に、

  • 食べたものを吐きやすい
  • 胃捻転のリスクが上がる

という2つのデメリットがあります。

食後に運動すると吐きやすい

人が食後に活動すると言っても、通勤・通学や授業・仕事なので軽い運動程度がほとんど。

でもワンちゃんの場合は、散歩に行くとなったら喜んで、激しく走り出してしまうこともよくあります。

人のようにお腹がこなれてから運動しようなんてことは考えないので、いきなりトップギアで活動してしまいます。

ドッグフードでパンパンになった胃を抱えたまま走り回ることが胃への刺激になって、食べたものを吐いてしまうかもしれません。

Dr.ノブ

野生動物は食後は休息するのが普通なので、無理に動こうとはしません。
しかし、限られた散歩の時間しか運動できないワンちゃんは、体に無理をしてでも運動してしまう面があるのでしょう。

胃捻転のリスクが上がる

犬は胃がねじれてしまう胃捻転になりやすい動物です。

特に大型犬に多く起こり、死亡率も高いとても怖い病気。

昔から胃捻転は食べた後に運動するとなりやすいと言われています。

今もそう理解している獣医師は多いでしょう。

一方、アメリカでは食後や飲水後の運動は胃捻転には関連がないとしています。

胃捻転に関連するのは

  • 加齢
  • 遺伝
  • 大型犬で食べるのが早い
  • ドライフードを与えている
  • 1食が大量
  • 高い位置に食器を置いて食べること(空気をたくさん飲み込んでしまう)

という結果が出ています。

食後の運動はデータ的に関連がないということなのでしょうが、大量に食べたり、急いで食べたり、空気を飲み込むことがリスクを高くするのなら、胃がパンパンの状態で運動するのも悪そうに感じるんですけどね。

僕は、念のため食後の運動は避けたほうがいいと思っています。

食事の前に散歩に行くデメリットは?

では、反対にドッグフードを食べさせる前に散歩に行くのはどうなんでしょう?

この場合には、

  • 拾い食いをしやすい
  • 便意をもよおしにくい

というデメリットが考えられます。

拾い食いをしやすい

お腹をすかせていると散歩中に愛犬が拾い食いをしてしまうというリスクがあります。

ワンちゃんは地面に近い位置にいるので、気になるものがあると飼い主さんが見つけるより先にゲットしてしまう可能性が高いです。

うちの子は拾い食いなんてしないと信じていても、本能がまさってしまうことはいくらでもありますよ。

食事前に散歩に行った場合には、何か食べ物が落ちていると思わず食べてしまう可能性が高くなる面があるのは否めません。

便意をもよおしにくい

食事前は便意をもよおしにくいものです。

これは飼い主さん自身のことを振り返ってみたらわかると思います。

人間は朝起きてすぐよりも食事をしてからの方が便意をもよおしてくるのが普通です。

これは空っぽの胃に食べ物が入ってくることで胃が伸ばされてその刺激が大腸へと伝わり(胃結腸反射)、その刺激によって大腸が蠕動運動(大蠕動)を起こして便意が起きることによります。

ほとんどの飼い主さんは愛犬がドッグフードを食べた後すぐに、ウンチをするという習性に覚えがあると思います。あれですね。

なので、食事をしないまま散歩に行ってもなかなかトイレをしてくれなくて困るかもしれません。

散歩へ行ってからドッグフードを与えるのがおすすめ

ドッグフードを散歩前に与える・散歩後に与える、それぞれにデメリットがあります。

でも、どれも気をつければ防げることばかりです。

たとえば吐きやすい・胃捻転の危険は食後すぐは激しい運動を避ければいいですし、拾い食いは飼い主さんの監視次第で防げますし、便意は習慣に左右されるのでそのうち食前でもちゃんとしてくれるようになるでしょう。

じゃあ散歩前散歩後どっちでもいいかというとそうは思いません。

僕の意見は散歩後にドッグフードを与えることを支持します。

なぜなら、食事をした後は消化吸収のために胃や腸に血液が集まり、フルに働いているわけです。

その時に筋肉を動かせば、そっちに血流が分配されてしまい消化によくありません。

やはり、運動して→食事をして→休息している間に消化吸収(エネルギー補給)、というのが自然な流れじゃないでしょうか。

野生でも狩りして(運動)→食事して→休憩だね。

タロ

なんでも拾い食いしてしまう子は食後に散歩でもいいかも

ただし、好奇心が強すぎて、あるいは食いしん坊すぎて、散歩中に落ちているものを食べてしまう危険が高いワンちゃんの場合は、食後に散歩をするのもありだと思います。

ただしその場合は食べてすぐは避けて、お腹がこなれてから散歩に行くようにしましょう。

また、歩いて散歩する程度にして激しい運動は避けるようにしましょう。

MEMO
食べてから10分もかからずに食べ物は胃から腸へと流れていきますが、完全に胃が空っぽになるにはかなり時間がかかります。
変動が大きいので一概には言えませんが3時間くらいはかかります。
なので、食後2~3時間は激しい運動は避けたほうがいいでしょう。

どうしても食後にしか便が出ない子で「家でトイレはちょっと…」と言う場合も、食後に散歩を選択するしかありませんね。

Dr.ノブのアドバイス

健康管理の面では家でトイレをしてくれるのがベストです。
散歩中だと排泄物の状態をよく観察できないことが多いもの。
特に尿の色や量については変化があっても気づきにくいものです。
家のトイレでしてくれれば日々の変化がよくわかり、愛犬の体調変化に早く気づいてあげることができます。

ドッグフードの食べ方にも病気のサインが隠れている!愛犬の健康管理は飼い主さんの観察が大切

散歩時のその他の注意点

愛犬が自分から離れずついてくることに自信があるのか、リードを付けずに散歩をさせている方がけっこういます。

普段は言うことをよく聞く愛犬も、好奇心が旺盛な”犬”という動物であることを忘れてはいけません。

人には理解できないものに急に興味を惹かれたり、他の犬や人の姿に興奮したり、突然の大きな音にびっくりしたりして、理性より本能がまさってしまうことがあります。

そんな時には日頃の飼い主さんの指示なんか吹っ飛んでしまいます。

急に走り出して道路へ飛び出して交通事故に遭ったり、他の犬や人に襲いかかったりということが後を絶ちません。

リードさえ付けていれば防げた事故がたくさんあります。

また、近隣住民の方がみなさん犬好きというわけではありませんので、ノーリードで散歩していると非常に恐怖を与えることもあります。

マナーとしても散歩の時は必ずリードを付けるようにしましょう。

夏場は時間帯に注意!

夏場は散歩をする時間にも配慮が必要です。

地面に近いところを歩くワンちゃんは、日差しと地面からの照り返しのダブルで熱せられます。

日中に散歩すると熱射病になってしまうので、必ず早朝か日没後涼しくなってから散歩に行くようにしてあげてください。

十分な運動をさせてあげてください

散歩の時間はただトイレをするための時間ではありません。

ワンちゃんにとって散歩は唯一運動できる時間なので、十分な時間を散歩にあててあげましょう。

中型犬なら朝晩で計1時間、大型犬ならそれ以上は散歩させてあげたいところです。

小型犬は家を走り回っていればけっこうな運動になりますが、気分転換とストレス解消を兼ねて30分くらいは散歩に連れて行ってあげましょう。

まとめ

散歩の前にドッグフードを食べさせるか、後に食べさせるかはそれぞれにデメリットがあります。

でも、動物の自然な行動として散歩後に食べさせるのがおすすめです。

最終的には飼い主さんの都合によるところが大きいので、散歩前に食べさせることもあると思いますが、注意すればデメリットを防ぐことも可能です。