皮膚トラブルがある愛犬に合ったシャンプーの選び方と使い方

おうちで愛犬のシャンプーをしていますか?

最近は、室内飼いで散歩へも行かない子も多く、汚れないので美容院で1~2ヶ月に1回カットをするときにシャンプーをするだけというケースも増えています。

これまで皮膚に問題の出たことのないワンちゃんなら、それでもほとんど問題ないでしょう。

でも、たびたび皮膚にトラブルのあったワンちゃんでは、予防的な意味でシャンプーによるスキンケアはとても大切です。

皮膚が弱いだけに、使うシャンプーは皮膚の状態にあったものを選ぶことが重要。

この記事では、皮膚の状態に合ったシャンプーの選び方と薬用シャンプーの使用方法について解説しました。

Dr.ノブ

この記事は、皮膚が荒れていない状態での予防的なシャンプーの使用についてです。
皮膚が荒れているのならまず動物病院へ行って治療をしてもらいましょう。
ひどくなる前に連れて行ってね。

タロ

シャンプーは皮膚の状態によって使い分けたい

見た目には問題なさそうでも

  • 皮膚はきれいだけど、かゆがっているみたい
  • 今は治っているけど、しっしんが繰り返しできる
  • 体がにおう、べたべたする

などに、当てはまるようなら、日頃から適切なシャンプーでこまめに洗ってあげることで、皮膚のいい状態を維持できます。

以下に、皮膚の状態ごとの最適なシャンプーをご紹介します。

Dr.ノブ

シャンプーに取り組む前に、ノミが寄生していないかをよーくチェックしましょう。
ノミアレルギーは犬のかゆみの原因としてかなりの割合を占めます。
わずかの寄生でもかゆみはしっかり出ますから、かゆみが気になるのならノミが見つからなくても念ため駆除をしておきましょう。

皮膚はきれいでかゆみもほとんどない

皮膚には何の症状も出ていなくて、かゆみもそういえば少し掻く回数が多いかな?というレベルなら、一般的な犬用シャンプーを使っても問題ないかもしれません。

でも、

  • 以前に皮膚炎を起こしたことがある
  • アレルギーの可能性を指摘されたことがある
  • 血統、犬種がアレルギーなど皮膚トラブルが多い

などが当てはまるようなら、薬用シャンプーを使えとまでは言いませんが、スキンケア効果のあるシャンプーを使用することをおすすめします。

このクラスのシャンプーでは、天然由来の刺激性の低い洗浄成分や皮膚代謝の改善が期待できる必須脂肪酸、皮膚の乾燥を防ぐ保湿成分などが配合されています。

以下は手頃で高機能の獣医師推奨シャンプー。

ヒノケアデイリーケア

ヒノケアデイリーケアは珍しく犬猫兼用。

薬剤に敏感な猫でも使用できるというのはそれだけ皮膚にやさしいシャンプーということです。

  • ヒノキやヒバから抽出した殺菌作用のある「持続型ヒノキチオール」配合
  • 保湿素材「リピジュア」「セラキュート」を配合。しっとり柔らかい皮膚を維持
  • ベビーソープと同じアミノ酸系シャンプーで低刺激
バイエル ヒノケア デイリーケア 200ml
バイエル

花王ヘルスラボシャンプー

あの花王が人の肌で培った技術で作り上げた犬用スキンケアシャンプー。

  • 保湿成分「バリアセラミド」を配合。シャンプー後の乾燥を抑制
  • 低刺激性・高洗浄成分配合で汚れや余分な皮脂、付着したアレルゲンはしっかり落とす

しっしんは出ていないが、かゆみが気になる

皮膚はきれいだけど、ベースにアトピーや食物アレルギーを持っていてかゆみが気になる子で、

  • まだ内服薬を使うほどではない
  • 食事療法ができない(食物アレルギー)

というケースでは、かゆみを抑える作用のある止痒シャンプーがおすすめ。

かゆみを軽減する効果の期待できるオートミールやアロエベラなどが配合されています。

エピスース

古くから犬猫のスキンケア製品に力を入れているビルバックの止痒シャンプー。

初期のアトピーや食物アレルギーにおすすめです。

  • コロイド状オートミール配合
  • 「スフェルライト(被包技術)」有効成分が徐々に放出される

しっしんを繰り返す

これまでにしっしん(細菌性皮膚炎、膿皮症)を繰り返している子では、普段から抗菌性のあるシャンプーで頻回に洗ってあげることをおすすめします。

抗菌性の成分としては

  • クロルヘキシジン
  • 過酸化ベンゾイル
  • 乳酸エチル

など。

もっともよく使用されるのはクロルヘキシジン。

過酸化ベンゾイルは次項の皮膚がべたべたする(脂漏症)タイプで、細菌感染を繰り返す子に合っています。

ノルバサンシャンプー

発売から20~30年経ちますがいまだに獣医師から圧倒的に支持されている殺菌性シャンプー。

低刺激性で皮膚にトラブルのない犬猫の日常のシャンプーとしてもおすすめ。

  • 酢酸クロルヘキシジンを配合し細菌やカビを抑える
  • 子犬や子猫にも使用できる低刺激
  • コンディショナー入り

Dr.ノブ

膿皮症を繰り返す原因にアレルギーやホルモン異常、ダニなどがベースにあることがあるので、それらの異常がないか病院でしっかり診てもらいましょう。

皮膚が脂っぽくてべたべたする

皮脂が異常に分泌されて皮膚や毛を触るとベタベタするようなワンちゃんがいます。

このような状態を脂漏症といい、ベタベタの状態はかゆみを増したり、次に挙げるマラセチアが繁殖しやすくなったりします。

独特のニオイがあり、体臭の原因にもなります。

脱脂作用のある

  • サリチル酸
  • 過酸化ベンゾイル
  • 二流化セレン
  • 硫黄

などの成分を含んだシャンプーがおすすめ。

※乾燥し過ぎに注意。シャンプー後は保湿シャンプーでさらに洗うか、保湿剤を併用しましょう。

ケラトラックス

ビルバックのスキンケアシャンプーで、皮膚が厚くなったりフケが増えている子に合っています。

  • サリチル酸が角質層に浸透し、角質が軟化して除去しやすくなる
  • 天然成分(ボルド葉抽出エキス、セイヨウナツユキソウ抽出エキスが
    マイクロバイオーム(皮膚常在微生物叢)のバランスを整える

ビルバゾイル

もっとも強力な脱脂作用と抗菌作用を持つシャンプー。

しつこく繰り返す膿皮症に効果的。

※刺激性があり、飼い主さんに手荒れを起こす可能性があります。

番外:マラセチア性皮膚炎を繰り返す

ベースにアレルギーを持っているワンちゃんの場合、細菌性皮膚炎のほかにマラセチア性皮膚炎(カビの1種による皮膚炎)を繰り返すことが非常に多いです。

ノルバサンシャンプー(クロルヘキシジン0.5%)もマラセチアにある程度は効きますが、しっかりと抗真菌性が出てくるのはクロルヘキシジンが2%以上含まれている必要があります。

なので、

  • クロルヘキシジンを高濃度に含む
  • ミコナゾールやケトコナゾールなど抗真菌剤を配合

したシャンプーが最適。

Dr.ノブ

このカテゴリーのシャンプーは動物医薬品に該当し、日常のシャンプーではありません。
予防的に使用する場合でも、獣医師の指示のもとに使ってください。

薬用シャンプーでの基本的な洗い方

薬用シャンプーでは、含まれている成分の効果を最大限に発揮するため、一般のシャンプーとは洗い方が多少異なります。

各手順を時間をかけて行うことが大切で、もっとも重要なポイントは泡立てた状態で5~10分程度洗い流さずに置いておくこと。

そして十分すぎるほどにシャンプー剤を洗い流すことです。

以下に、簡単にシャンプーの手順を説明します。

手順1
皮膚を湿らせる

シャンプー剤を使う前に十分に被毛を濡らしておくことが大切です。約5分くらいシャワーしましょう。
シャンプーの有効成分が行き渡りやすくなります。

水温は30℃以下が理想ですが、冬はもう少し温かくてもいいでしょう。
※長毛種ではシャワーの前にコーミングして毛玉をほぐしておきましょう。

手順2
シャンプー剤を泡立てる

シャンプーを泡立てて、全身の皮膚にシャンプー剤が触れるようになじませます。

※毛の硬い短毛種では毛に逆らって強く洗わないように。毛包炎になることがあります。

手順3
泡立てた状態で放置
シャンプーを泡立てた状態で10分程度、薬効成分を浸透させます。
10分じっとさせるのは大変なので、おやつを食べさせたりして気を逸らしてあげましょう。
手順4
十分にすすぐ

シャンプー剤が残らないように5分くらいかけて十分に洗い流してください。

※どんなにいいシャンプー剤も液が残ると皮膚の刺激になります。念入りにすすぎましょう。

手順5
タオルドライ
すすぎ終わったら、タオルでふいて水分をできるだけとってあげましょう。
手順6
ドライヤーで乾燥

ドライヤーを使って十分に乾かしてあげましょう。ドライヤーは皮膚にダメージを与えないように30cmは離して使ってください。

※毛の硬い短毛種で夏場ならタオルドライだけでも十分です。

シャンプー後は保湿にも気をつけて

シャンプー後はそのままでも問題ない子も多いですが、日頃から皮膚トラブルが多いのなら乾燥にも注意してあげないといけません。

シャンプーするとどうしても皮脂が落ちてしまうので、できるだけ保湿剤を使うことをおすすめします。

日頃、皮膚が乾燥気味でかゆみの原因になっていることもあるので、そういう子ではシャンプーしていない日も保湿剤を使うことで、かゆみが落ち着くことも多いですよ。

愛犬の食物アレルギーに対して家庭でできるケア方法

家で洗えないのならトリミングにシャンプー剤を持ち込んでシャンプーしてもらおう

上の手順を見てもらえばわかるように、シャンプーをするのにはけっこう手間と時間がかかります。

非常に大人しいワンちゃんならいいですが、シャンプー嫌いの子や活発過ぎる子では自宅のシャンプーはむずかしいかもしれませんね。

特に泡立てた状態でじっとさせるのが、みなさん苦労されているようです。

上に書いたように、おやつをあげて気をそらしたり、場合によっては泡立てた状態でお庭に出して遊んであげたりしてもいいでしょう。
※ただし、暖かい季節限定です。

どうしても自宅でシャンプーが難しかったら、美容室へ薬用シャンプーを持ち込んで洗ってもらってもいいと思います。

その際には、泡立てた状態で10分置いておくことをちゃんと伝えてください。

まとめ

皮膚炎も軽いものであれば、薬用シャンプーを定期的に使用することで再発の予防が十分に期待できます。

アトピーなどで皮膚炎がひどく投薬中の子でも、薬用シャンプーを併用することで症状を軽減して薬の量を減らせる可能性があります。

たかがシャンプーされどシャンプー。

シャンプーの効果を侮るなかれです。

それまで膿皮症を繰り返していた子が薬用シャンプーだけで再発が無くなった子はたくさんいます。

ただし、皮膚に症状が出ているワンちゃんは、まず診察を受けて治してから使用するようにしましょう。