栄養補完食・療法食としてのドッグフードについて解説

主食のドッグフードや間食用フード(おやつ)以外に、栄養を補うものや治療のための栄養補完食・療法食というドッグフードがあります。

良質な総合栄養食のドッグフードを与えていれば、基本的に栄養を補う必要はありませんが、ワンちゃんの状況によっては必要になることがあります。

この記事では、栄養補完食・療法食とはどういうものかについて解説しています。

Dr.ノブ

慢性疾患にとって食事療法はとても大切です。
お世話にならないように健康でいたいなぁ…

タロ

栄養補完食とは

病気や老齢の犬

栄養補完食は栄養がたくさん必要な成長期、病中病後や術後の回復期などに通常のドッグフードでは足りない栄養を補ってあげるためのフードです。

成長や回復を促すほか、老化や病気で消化吸収が衰えている子の栄養補給の目的などでも使われます。

一般に高栄養・高カロリーなので、必要のない子に与えると栄養過多になってしまう可能性があります。

栄養補完食の種類

ミルク

犬用ミルク

主に幼児期や成長期のワンちゃんに母乳の代わりや離乳時の補完食として用いられます。

完全に離乳して幼犬用のドッグフードをしっかり食べている子には必要ありません。

近年では、成犬でも食の細いワンちゃんや老犬になって消化吸収の衰えたワンちゃんの栄養補助の目的で、成犬用やシニア用のミルクも販売されています。

Dr.ノブのアドバイス

ペットショップでワンちゃんを購入すると、ミルクやカルシウムなどをいっぱい買わされることがありますが、離乳が終わって子犬用のドッグフードをちゃんと食べていれば栄養を補完する必要はありません。
もったいないのでフードにふりかけて与えてもいいですが、かけ過ぎないようにしてください。

チューブ詰めフード・高栄養流動食

病気や老齢で食欲のないワンちゃんに与えるための高栄養食です。

ドッグフードの補完というよりも、これ自体で必要な栄養を与えるためのものです。

胃チューブを留置した子では直接チューブから給与します。

チューブ詰めで少しずつなめさせるタイプ、粉末をお湯で溶かしてその都度調合するタイプ、缶入りの液体タイプなどがあります。

サプリメント

犬用サプリメント

人間の世界ではサプリメントが花ざかりですが、ペットの世界でもさまざまなサプリメントが作られています。

単なるビタミン剤から、関節疾患用のサプリメント、アトピー向けのサプリメント、肝臓が悪い子のためのサプリメント、腫瘍のためのサプリメントに眼のためのサプリメントまであります。

人間のサプリメントと一緒で基本的には健康食品であって薬ではないので、劇的な効果はあまり期待しないほうがいいでしょう。

Dr.ノブのアドバイス

実際に使ってみると薬並みに効果の感じられる良いサプリメントもあります。
治療の一貫として取り入れているサプリメントも。
気になる人はかかりつけの獣医師に相談してみてください。

療法食とは

療法食は病気のワンちゃんに最善の食事として、通常のドッグフードに代わって主食にするために作られたフードです。

療法食は治療のための食事で、別名、処方食と呼ばれる通り獣医師の処方のもとで与える食事なので、本来は動物病院で出してもらうフードです。

しかし今はなんでもネットで販売されてしまう時代なので、楽天やAmazonで普通に買えてしまいます。

病気の種類によっては療法食は治療の根幹を担うものなので、与え始めたり与えるのを止めるのには注意が必要です。

Dr.ノブのアドバイス

ネットのほうがかなり安いので買うのは仕方がないのですが、使い始める時には必ず、その子にその療法食が必要なのか?与えても問題ないのか?をかかりつけのお医者さんに指導してもらってください。

療法食の種類

病気によって要求される栄養や条件が異なるので、療法食は細かく病気別の専用食に分かれています。

主に以下のような療法食があります。

  • 回復期用(チューブ詰めや流動食に相当する療法食)
  • がん用
  • 尿石症用
  • 腎臓病用
  • 心臓病用
  • 肝臓病用
  • 肥満改善用
  • 歯牙疾患用
  • 糖尿病用
  • 皮膚炎用
  • 消化器疾患用
  • 関節炎用

回復期用

高タンパク、高脂肪で消化を助ける加工がされています。

嗜好性が高く、与えやすいやわらかいウェットタイプでチューブでの投与も可能。

お腹の弱い子に与えると便が軟らかくなってしまうかもしれません。

膵臓の悪い子には与えてはいけません。

がん用

高タンパク、高脂肪で炭水化物が抑えられています。

免疫を高める成分が強化されています。

やはりお腹の弱い子や膵臓の悪い子にはおすすめできません。

尿石症用

膀胱結石などの尿石を溶かすためのフードと予防するためのフードに分かれます。

溶かすためのフードは長期に食べるものではありません。また、心臓や腎臓の悪い子に与えてはいけません。

腎臓病用

腎臓に負担となるタンパク質を制限し、代わりのエネルギー源やアミノ酸が強化されています。

蓄積しやすいナトリウムやリンも制限されています。

心臓が悪いのに心臓病用療法食を受け付けない子に、代わりに用いることもできます。

心臓病用

体内に水分を貯留する作用のあるナトリウムを高度に制限し、心臓への負担を減らしてくれる療法食です。

ナトリウムを失いやすい嘔吐や下痢をしている子には与えないようにしましょう。

肝臓病用

タンパク質や炭水化物が消化しやすく、肝臓病で不足しがちな栄養素が強化されています。

肥満改善用

カロリーを抑え、繊維質を強化して、少量でも満腹感が得られるように調整されています。

栄養がたくさん必要な成長期や妊娠犬、痩せ気味の子、衰弱した子には与えないようにしましょう。

歯牙疾患用

フードの粒を噛むことで歯みがき効果を得られるように加工されています。

また歯石のもとになるカルシウムの含有量が制限されています。

糖尿病用

繊維質を増量してあり消化管でゆっくり吸収されるため、急激な血糖の上昇を防いでくれます。

皮膚炎用

皮膚の炎症を抑える効果の期待できるオメガ脂肪酸や皮膚に必要な栄養素が強化されたアトピー用と、アレルゲンとなりにくいタンパク質を使ったりアレルゲンにならないようにタンパク質を加水分解処理した食物アレルギー用の療法食があります。

理論的にアレルギーを起こさないレベルに徹底的に加水分解されたフードもあります。

消化器疾患用

消化性が高く、下痢を引き起こしやすい脂肪分を制限してあります。

脂肪を制限しないといけない膵炎のワンちゃんや、消化機能が低下している術後・病後のワンちゃんにも合っています。

関節炎用

関節軟骨の損傷を防ぐEPAやα-リノレン酸、グルコサミンなどが添加されています。

サプリメントで補給する成分を最初から添加してある療法食です。


療法食を製造しているメーカーは限られていて、ヒルズやロイヤルカナンやアイムスなどの大手企業です。

病気の時は使わざるを得ない療法食ですが、現在のところ療法食で無添加の製品はほとんど作られていません。

>>>腫瘍とたたかっているワンちゃんのための無添加ドッグフード

しかし、添加物が気になっても病気の場合は療法食を使うメリットが圧倒的に上回ります。

病気になった時はできるだけ療法食を利用しましょう。

Dr.ノブのアドバイス

ネットでドッグフードを紹介するサイトでは添加物を使うこれらの会社のフードは散々な評価がされています。
しかし、療法食は科学的に研究して病気のワンちゃんに最善のフードに仕上げたものです。
つまり彼らはワンちゃんの病気や栄養のプロ集団。
添加物も安全な範囲で使用しているものといえます。
安心して食べさせていいと思いますよ。
ただし、療法食はおいしくないのでワンちゃんが受けつけない場合はどうしようもありませんけどね。

まとめ

ここで紹介したドッグフードは健康なワンちゃんには関係のないものです。

しかし、いざ病気になった時はとても重要なツールで治療には欠かせません。

治療のために薬以上に重要な療法食もあるので、病気になって獣医師に療法食を変えることを指示された時は、できる限り与えるように努力しましょう。