犬に与えてはいけない食べ物1:玉ねぎ・ネギ

犬は玉ねぎやネギを食べると中毒を起こすって知っていますか?

最悪の場合は命を落とすこともある恐いものです。

ワンちゃんを飼われたことのある方は、玉ねぎが犬にとって毒であることは一度は聞いたことがあると思います。

初めて飼われる方はこれを機会にしっかりと覚えておいてください。

近年はワンちゃんの主食のほとんどがドッグフードで、ホームメイドの食事を与えることが少なくなったので、玉ねぎ中毒に遭遇することはめっきり少なくなりました。

でも、人の食べ物をもらっている子や盗み食いをしてしまう子では、玉ねぎ中毒が起こるリスクは少なからずあります。

この記事では玉ねぎ・ネギ中毒について詳しく解説しますので、万一の時の参考にしてくださいね。

中毒は飼い主さんが知っている知っていないで愛犬の運命を分けますのでぜひご一読ください。

Dr.ノブ

中毒性には個体差があるので少量で重症化することもあります。
散歩中に畑のネギを食べないようにしないとな…。

タロ

赤いオシッコに注意!玉ねぎ中毒・ネギ中毒は貧血を起こす

玉ねぎで中毒が起こるということは知っていても、実際に愛犬が玉ねぎを食べてしまったらどんな症状が出るかを把握していますか?

玉ねぎやネギを食べてしまって発症すると次のような症状がでます。

  • 赤いおしっこが出る(茶色に近い)
  • 口の粘膜が白っぽくなる

この症状のどちらも赤血球が壊れることによって現れます。

玉ねぎ中毒を簡単に言うと、赤血球が壊れることで貧血が起こる病気です。

それも急激に赤血球が壊されてしまうので、赤血球に含まれる赤い成分のヘモグロビンが尿に漏れでて赤いオシッコになります。

飼い主さんはこの赤いオシッコにビックリして病院に駆け込んでくることが多いですね。

口の粘膜の色もわかりやすいのですが、唇に隠れているので注意していないと見落としてしまうでしょう。

重度の玉ねぎ中毒になると、大量のヘモグロビンで腎臓に障害が出て命に関わってくることもあります。

怖いのは玉ねぎ・ネギだけじゃない!ニンニクも危ないです

一般には玉ねぎとネギは危ないということはだいぶ周知されてきましたが、玉ねぎ中毒を起こすのはこれだけではありません。

他のネギ属の植物でも中毒が起こります。

意外と盲点なのがニンニクです。

ニンニクはネギの仲間ということはあまり知られていないか、知っていても意識して使っていないでしょう。

ニンニクもネギ属で後述する原因物質を含んでいるので、しっかり中毒がおこります。

うっかりニンニク入りの食べ物を与えないよう肝に銘じておきましょう。

Dr.ノブのアドバイス

野生種のネギ属でも中毒が起こります。
草食動物の馬や羊でも野生種のネギ属を食べてしまって中毒を起こした例が報告されています。
ワンちゃんを散歩させるときに草を食べることがよくありますが、万一、ネギ属の草があれば中毒を起こすので注意しましょう。

エキスが入っていてもダメ!

玉ねぎ中毒で勘違いしてほしくないのですが、玉ねぎやネギそのものを食べなければ大丈夫と思っている人が多いんですよね。

それは大きな誤解で、ネギ類の本体が入っていなくてもエキスとして溶け込んでいればアウトなのです。

味噌汁ラーメンスープなどたとえ玉ねぎやネギを取り除いても、そこにはたっぷりと中毒物質が含まれていますから絶対にワンちゃんに与えてはダメです。

中毒物質は加熱しても分解されませんので、料理のスープや加工食品でもしっかり中毒を起こします。

人用のベビーフードを与えていたら貧血を起こしたという猫の報告があるのですが、原因はベビーフードに含まれていたオニオンパウダーだったそうです。

前述のニンニクも同じくエキスもダメですから注意してください。

人は大丈夫なのにどうして犬に玉ねぎ中毒が起こる?

人は玉ねぎやネギ、ニンニクを食べても何も問題を起こさないのに、どうして犬(猫、馬、羊)は中毒を起こしてしまうのでしょう?

原因物質はよく言われるアリルプロピルジスルファイドではない!?

玉ねぎ中毒で検索すると、どのページもネギ類に含まれるアリルプロピルジスルファイドという物質が赤血球を破壊するために発症すると書いています。

実はこれはすでに否定されていて、中毒物質は別のsodium n-propylthiosulfateという物質であることがわかっています。

この中毒物質は強力な酸化剤として作用し、赤血球の細胞膜にダメージを与えます。

障害を受けた赤血球は変形し、ハインツ小体という突起ができたり、エキセントロサイトという変形赤血球になります。

膜が弱くなってしまった変形赤血球は最終的に崩壊してしまいます。

この過程が激しく起こると、中毒症状として現れてくるのです。

玉ねぎ中毒を起こしやすい犬

玉ねぎに含まれる中毒物質に対する感受性には個体差があり、同じ量の玉ねぎを食べても中毒を起こす犬と起こさない犬がいます。

玉ねぎをけっこうな量食べてしまってもケロッとしているワンちゃんは少なくありません。

逆に、少ししか食べていないのに茶色いオシッコが出て粘膜も真っ白になってしまう子もいます。

その差は赤血球に含まれている還元型グルタチオン(GSH)の濃度の違いで、玉ねぎ中毒を起こしやすい犬はGSHの濃度が数倍高くなっているといわれています。

特に柴犬や秋田犬のような日本犬にGSHが高い個体が多いといわれているので、これら日本犬を飼っている方はより注意しましょう。

Dr.ノブ

見出しで人は大丈夫と書きましたが、感受性の強い人は玉ねぎを食べ過ぎると貧血を起こすことがあるようです。
また、すでに貧血の人は玉ねぎをあまり食べてはいけないそうです。

ドッグフードだけを与えていれば心配ないけど誤食に注意!

冒頭でお話したとおり、ドッグフードが普及したことで玉ねぎ中毒に遭遇することはほとんどなくなりました。

きちんと管理されて作られているドッグフードにネギ類が使用されていることはありませんからね。

でも、食いしん坊なワンちゃんや、やんちゃなワンちゃんでは、人の食べ物をこっそり食べてしまったり、家庭菜園のネギを噛んでしまったりして、玉ねぎ中毒になってしまうこともあるかもしれません。

食べたかどうかニオイでわかるかも

食べた現場をおさえることができたら判断は簡単で、症状が出る前に対処して事なきを得ることができるでしょう。

食べたことに気づかなかった場合には、貧血の症状を見つけるしかないのでしょうか?

オシッコの色や粘膜の色に気づければいいですが、見逃すこともありますし、程度がまだ軽ければ見ても気づかないかもしれません。

早く気づいてあげるポイントはニオイにあります。

玉ねぎやネギを食べてしまうとネギの臭いが、口臭として、オシッコのニオイとして、あるいは便のニオイとして感じられます。

このニオイは怪しいと思ったら口の粘膜やオシッコの色をチェックしてみましょう。

疑いがあれば病院へ!

玉ねぎを食べたかはっきりしない時は、症状がはっきり出ていなくても病院へ行って調べてもらいましょう。

獣医師なら貧血の有無は粘膜の色でだいたい判断できますし、血液検査をすればはっきり確認できます。

顕微鏡で赤血球を観察して前述のハインツ小体やエキセントロサイトを確認したら玉ねぎ中毒と判断できます。

同じような症状を起こす中毒物質

他にも犬にハインツ小体による貧血の中毒症状を出す中毒物質があります。

  • アセトアミノフェン(風邪薬などに入っている解熱鎮痛剤)
  • ナフタレン(防虫剤)

玉ねぎを食べていないのに同じような症状が出てきたら、家庭内にあるこれらの薬剤で起こっている可能性もあるのです。

Dr.ノブ

猫では糖尿病や麻酔薬で同様のメカニズムによる貧血が起こることもあります。

まとめ

玉ねぎやネギには注意していても、エキスの入ったものをうっかり与えることは大いにありえます。

また、いたずら好きなワンちゃんでは自らどこかでネギをかじってしまう可能性もあります。

玉ねぎ中毒自体、よほどの重症でない限り命を落とすことは少ないですが、万一の時にあわてないように今回の情報を頭の隅にでも入れておいてください。

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