犬を飼っていると、元気や食欲はいつもと変わらずバリバリにあるのに、ウンチだけが下痢になったり、下痢まではいかなくてもソフトクリームくらいの軟らかい便をする、というのはよく遭遇することです。
様子を見つつ、病院に連れいていこうか迷っていると、たいていはそのまま自然に治ってしまいます。
このような単純な下痢はどのような理由で起こってくるのでしょう?
この記事では、単純な下痢の主な4つの原因と対処方法について解説しています。日頃の健康管理の参考にしてください。
目次
この原因では以下のようなケースがよく見られます。
- ゴミ箱をあさったり床に落ちているものを食べた
- 通行人から食べ物をもらった
- 散歩中に拾い食いをした
ワンちゃんの単純な下痢の原因でもっとも多いのは、盗み食いや拾い食いで変なものを食べてしまったケースです。
室内犬の場合はゴミ箱をあさって食べてしまうことが多いので、別名”ゴミ箱症候群”と呼んだりすることさえあります。
犬は人と目線の高さが違いますから、人が気づかない落ちているものをいち早く発見して食べてしまいます。
飼い主さん自身は変わったものは食べていないはずと思っていても、知らない間に食べていることは普通にあるものです。
Dr.ノブ
外で飼っている場合でよくあるのが、通りすがりの人から食べ物をもらうケース。
庭など外で飼っている場合には、垣根越しに通行人と接することが可能なことが多いです。
通りすがりの人はワンちゃん可愛さから食べ物を与えたにすぎないのでしょうが、ワンちゃんによってはそれが原因でお腹をこわすということは少なくありません。
近所の人が良かれと思って与えているケースもよくありますね。
近所の人の場合は言いにくいですが、お腹が弱い子だからやめるようにお願いしましょう。
近年は、悪意を持った人が毒入りの食べ物を食べさせたという事件も耳にするので、接触できないように垣根をふさぐとか、愛犬の行動エリアを制限したほうがいいのかもしれませんね。
散歩中に何かを食べてしまうのも気をつけないといけないケースです。
ワンちゃんは鼻がいいのでかなり遠くからでも食べ物のニオイを嗅ぎ分けます。
飼い主さんが気づいたときにはもう口にくわえていた、なんてこともありがち。
植え込みの隙間に顔を突っ込んで何かを見つけてくるなんてこともあるでしょう。
また食べ物以外でも、何か付着しているものを舐めたり、除草剤のかかった草を食べたりということも原因になるかもしれません。
Dr.ノブ
最初から病院へ行くことを考えましょう。
新しいドッグフードに変えた後にお腹をこわしてしまったというのもよくある話です。
原因としては2つあって、
- 新しいドッグフードに含まれている材料が合わない
- フードの切り替えが急過ぎた
のたいていどちらかでしょう。
ドッグフードの原材料が合わない場合には、材料の食品あるいは添加物に対して過敏症があるということなので、そのフードをやめない限り下痢が続くことになります。
また、ワンちゃんはデリケートな子もいますから、新しいドッグフードへの切り替えが急激すぎるとそれだけでお腹をこわしてしまうこともあります。
最近フードを切り替えてから下痢をしているのなら、新しいドッグフードが合っていないのかもしれません。
ワンちゃんにも個性がいろいろで、何があっても動じない胆(きも)の座った子もいれば、飼い主さんの姿が見えないだけで不安な表情を見せる甘えん坊の子もいます。
甘えん坊のワンちゃんでは、
- 留守番をさせられたり
- トリミングへ行かされたり
- ペットホテルに預けられたり
したことで、ストレスからお腹をこわしてしまうことは珍しくありません。
飼い主さんが側にいても、
- 近所で工事をしていたり
- 花火大会があったり
- 嵐で雷が鳴ったり
しても大きな音のストレスで同じくお腹をこわすことがあります。
ワンちゃんからすれば
「どうしてママから引き離されてオリの中に入れられているの?」
「どうしてあんな恐ろしい音が響いてくるの?」
と感じていることでしょう。
このように言葉のわからないワンちゃんには自分の身の上に起こっていることが理解できませんから、人間が思っている以上にストレスになるものなのです。
ストレスがひどいと血便まで出てくることもあります。
現代人で寄生虫を持っている人はほとんどいなくなりましたが、犬の世界では寄生虫はまだまだ現役。
特にパピーミルのような多頭飼育の場所からきたばかりの子犬では、下痢の原因として寄生虫はかなり多いものです。
最近のフィラリア予防薬はほとんどがお腹の寄生虫も落としてくれるので、大人のワンちゃんでは寄生虫が原因の下痢はあまり多くありません。
しかし、コクシジウムのようにフィラリア予防薬では落ちないタイプの寄生虫が残っていたり、散歩で新たに感染してしまったりするケースは考えられます。
単純な下痢で様子を見る場合のポイントはお腹を休めること。
お腹の調子がいまいちなのですから、腸を休息させて回復の時間を与えましょう。
成犬なら
単純な下痢で様子を見る場合のポイントはお腹を休めること。
お腹の調子がいまいちなのですから、腸を休息させて回復の時間を与えましょう。
成犬なら
- まる1日絶食
- 水はいつでも飲める状態
- 落ち着いたら少量のドッグフード or 消化の良いゴハンやササミからスタート
で様子を見ます。
新しいドッグフードに変えた場合は元のフードに戻してみて、調子良くなってから再度切り替えにチャレンジしましょう。
それでも再び下痢をしてしまうのならフードが合っていない可能性大です。
子犬の場合には絶食すると低血糖を起こしてしまうので、絶食せずに
- 少量のフードを何回にも分けて与える
- 水はいつでも飲める状態
というふうにします。
下痢以外にも以下のような症状が見られる場合には様子を見るのではなく、なるべく早く病院へ行くようにしましょう。
- 嘔吐もある
- 水のような下痢
- 便に血液が混じっている
- 元気が落ちている
- 食欲が無い
- 熱がある
- 下痢が続いている
このような症状が見られる場合は、上に述べたような原因以外に病気が隠れているかもしれません。
最初は見られなくても後から出てくることも。刻々と悪化している傾向があるのなら躊躇なく病院へGOです。
特に子犬は朝元気だったのが夕方にはぐったりということもあるので、下痢がひどいとか、元気が少しでも落ちている感じがあるのなら早めに決断しましょう。
犬が下痢すること自体よくあることなので、何でもかんでも大慌てで病院へ行く必要はありません。
単純な下痢であれば絶食して様子を見るのも全然ありです。
しかし、ちょっとした変化を見逃さないように普段以上に観察をしてあげてください。
特に子犬は経過が早いので、単純な下痢だけでも病院へ行った方が無難かもしれませんね。