犬に与えてはいけない食べ物5:鶏の骨

昔から、鶏の骨は犬に与えてはいけないということが言われます。

一般の飼い主さんでも聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。

鶏の骨は割れると鋭い断面になってしまうので、犬に与えると食道に刺さって危ないということです。

でも実は、鶏の骨の是非は獣医師の間でも意見の別れるところなのです。

この記事では鶏の骨の危険性について考察し、豚や牛の骨についても考えてみました。

手作り食を考えている方やおやつに鶏の骨を与えている方はぜひご一読ください。

Dr.ノブ

鶏の骨は栄養面のメリットはありますが必須の食材ではありません。
鶏の骨を見てるとバリバリ噛んでみたい衝動にかられるなぁ。

タロ

鶏の骨は熱を加えると危険になる

鶏の骨

鶏は通常ひな鳥の時点で出荷されるため、生の鶏の骨は意外にやわらかいのです。

しかし、熱を加えるとタンパク質が凝固して硬くなってしまいます。

この状態の骨は斜めに割れやすく、その断端が鋭利になってしまいます。

そこから犬に鶏の骨は与えてはいけないと言われるようになったのでしょう。

しかし、もともと消化管の粘膜は柔軟で、誤って縫い針を飲み込んでしまっても刺さらずに便にそのまま出てくることは多いです。

たとえ割れて鋭くなった鶏の骨を食べても、食道にそうそう刺さるものではありません。

だからといって、先の尖ったものを飲み込んでいつも無事通過するという保証はありません。

なので、火を通した鶏の骨をワンちゃんに与えるのは止めたほうがいいでしょう。

Dr.ノブ

圧力鍋などで十分に加熱した鶏の骨はもろくなっています。
このような骨であればワンちゃんに与えても問題はないでしょう。

鶏の骨は生の骨なら大丈夫

前述の通り、鶏の生の骨はやわらかく、食道に刺さる心配はありません。

鶏の骨は胃までいけば問題なく消化されるので、生の骨ならワンちゃんに与えてもいいかもしれません。

ただし刺さらなくても、後述するように大きな骨は”詰まる”という可能性はあるので、最初は首の骨や手羽先から初めてみましょう。

また、生の骨は初めてだと下痢をすることもあるので、最初は少量から始めて便の様子を見ながら増やしていくようにしましょう。

Dr.ノブのアドバイス

手作りフード与えるような場合は、鶏の骨は重要な栄養源になります。
普段ドライフードを食べているワンちゃんでも、おやつ代わりや噛む欲求を満たしてあげるのにいい素材です。

牛や豚の骨は刺さらないですが詰まる可能性はあります

鶏の骨は危ないという話はわりと知られているので、愛犬に与えている飼い主さんはあまりいないと思います。

一方、代わりに牛や豚や鹿の骨を与えている飼い主さんってけっこういるのでしょうか?

牛・豚・鹿の骨は犬のおやつとして商品化されているくらいなので、それほど危険のあるものではありません。

ただし、なんでもバリバリ噛んですぐに飲み込んでしまうようなワンちゃんでは注意が必要です。

割れても角が鋭利になるようなことはないですが、ある程度の大きさがあると食道の途中で引っかかってしまうことがあります。

実は臨床においては、鶏の骨が食道に刺さるより、他の動物の骨が食道に詰まってしまうことのほうがよっぽど多いのです。

胃に入ればちゃんと消化されるので問題ありませんが、大量に食べた場合はその限りではありません。

ものには限度があります。

一気に大量に食べてしまうと消化が追いつかなくなり、固い骨のまま腸を流れていきます。

すると消化されない固い骨が腸を傷つけながら便として出ていくことになります。

便に出てくれればいい方で大腸炎を起こすくらいで済むでしょうが、運が悪いと途中で詰まってしまうこともあります。

牛や豚などの骨も与え過ぎには十分に注意しましょう。

安全を追求するのなら骨は避けたほうがいいかも

栄養面で優秀で、刺さる心配もない生の鶏の骨は、おやつとしてあるいは栄養補助食として、そしてストレス解消としてワンちゃんにメリットの多い食材です。

でも、まったくリスクが無いかというと、そうともいい切れません。

中途半端な長さの太い骨(手羽元や太ももの骨)だとつっかえてしまう可能性はあります。

骨ではなかったのですが、以前、木の枝が口の奥につっかえてしまったワンちゃんがいました。

口を掻くような仕草をして気持ち悪そうにしていたのですが、最初は何が原因かはわかりませんでした。

暴れて見せてくれないため麻酔をかけて調べたところ、上あごの一番奥の歯と歯の間に木の枝がすっぽりはまっていたことがありました。

鶏の生の骨でも同じようなことが起こるかもしれません。

つっかえるのはアゴの部分だけとは限りません。

胃までいけば消化されますが、向きによっては途中の食道でつっかえてしまう可能性もあると思います。

まとめ

骨類は噛む欲求を満たしてストレス解消になったり、カルシウムの補給として有用です。

でも、今は代用の安全なおやつもありますし、ドッグフードは完全栄養食でカルシウムをわざわざ補給する必要もありません。

他に代用できるものがないのならともかく、リスクがあるので無理に骨を与える必要はないでしょう。

もし与えるのなら十分に注意して与えてください。

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