注意!愛犬が食欲旺盛でドッグフードをよく食べる!と喜んでいたら実は病気のことも

ワンちゃんの場合、”ちょっと調子悪みたいだからと病院に行ったら思っていたより重症だった!”、なんてことが珍しくありません。

家族同然に接していると、具合の悪い時は自分から訴えるもんだと勝手に思っちゃうんですよね。

しかし、動物は病気をなるべく隠す本能があり、よほど悪くならないと飼い主さんも気づかないことが多いのです。

普段の愛犬の健康管理に、ドッグフードの食べる量や食いつきを観察することはとても大切です。

こちらの記事でご紹介したように、ちょっとした変化から病気の芽を見つけることができます。

ドッグフードを食べないのは病気なの?!食欲は健康と病気を判断する重要な指標です

基本的にドッグフードをよく食べるのは健康の指標になります。

ところが、あまりに食べ過ぎるというのは逆に病気のシグナルである場合があるのです。

食欲亢進といって、食欲が平常を超えてしまっているのもまた病気の症状。

”ドッグフードをよく食べる”というのは本来なら調子がいい兆候なので異常であることに気づきにくいのがやっかいなところです。

それでも他のシグナルと合わせて判断すれば異常に気づくことはできます。

この記事では、食欲亢進がみられる主な病気と食欲以外にあらわれるサインについてまとめています。

物言わぬ愛犬に変わって日頃の様子を観察して病気を早期に発見してあげてください。

Dr.ノブ

食欲があるから健康とはいかないこともあることを知っておきましょう。
ぼくの底なしの食欲は病気なのか…

タロ

ドッグフードを異常に食べて(食欲亢進)水も異常に飲む(多飲多尿)がある病気

ドッグフードを異様によく食べる以外に、水もよく飲んでいるフシがあれば以下の病気の可能性があります。

糖尿病

糖尿病が疑われるサインには次のようなものがあります。

  • 食欲亢進
  • 多飲多尿
  • 太らない・痩せてくる

食事から吸収した糖分は膵臓から分泌されるインスリンによって、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられたり、脂肪組織に脂肪として蓄えられます。

蓄えられたグリコーゲンや脂肪は飢餓の時の備蓄エネルギー用です。

糖尿病になるとインスリンに対する反応が悪くなったり、インスリンそのものが枯渇して糖分を体に蓄えることができなくなります。

そのため、せっかく吸収したブドウ糖は腎臓から尿へと排出されてしまうことに。

つまり、いくら食べてもエネルギーを蓄えることができず飢餓状態なってしまうのです。

食欲は止まらずいくらでも食べるのに、身につかないので太らないで痩せていくという矛盾した状態になります。

また、腎臓で作られる尿は水分を再吸収して濃縮されるのですが、尿糖の浸透圧が高いため再吸収できず、尿量が増えてしまいます。

水分を尿からどんどん失うために水をたくさん飲むようになり多飲多尿となるのです。

Dr.ノブのアドバイス

食欲が亢進するのは初期の段階です。
糖尿病が進むと逆に食欲不振になり、嘔吐・下痢など体調が悪くなります。
病気が進んでからでは命を落とすこともあるので、初期の段階で病気のサインに気づいてあげることが大事です。

クッシング症候群

クッシング症候群が疑われるサインには次のようなものがあります。

  • 食欲亢進
  • 多飲多尿
  • 腹部膨満
  • 脱毛

クッシング症候群は、腎臓のそばにある副腎という小さな臓器から分泌されるコルチゾールというステロイドホルモンが異常に分泌される病気です。

副腎に分泌の指令を出す脳下垂体の腫瘍あるいは副腎の腫瘍によって起こります。

コルチゾールには食欲を亢進させる作用があり、クッシング症候群になると異常な食欲を示します。

尿量を増やす作用もあるので、必然的にのどが渇いてたくさんの水を飲み多飲多尿になるのも特徴です。

コルチゾールにほかにタンパク質などを分解する異化作用があり、毛が抜けやすくなったり筋肉が弱りお腹が垂れてきます。

Dr.ノブのアドバイス

糖尿病とクッシング症候群は珍しい病気ではありません。
食欲亢進にプラスして多飲多尿があるなら、できるだけ早く病院へ行って診てもらいましょう。
クッシング症候群も進んでしまうと様々な障害が出てきます。肺塞栓症で急死することもあるので異常を見逃さないようにしてください。

ドッグフードを異常に食べて(食欲亢進)お腹の調子が悪い

ウンチのかたさ

ドッグフードをすごく食べるけれどお腹の調子が悪い、という状況なら次のような病気の可能性があります。

膵外分泌不全

膵外分泌不全が疑われるサインには次のようなものがあります。

  • 食欲亢進
  • 慢性の下痢(小腸性)
  • 体重減少
MEMO
小腸性の下痢とは、軟便や水様便のような一般的な下痢で、血便や粘液便(大腸性の下痢)と区別されます。

膵臓は血液中にインスリンを分泌するだけでなく、膵液として十二指腸へ消化液を分泌(外分泌といいます)する働きがあります。

膵液は脂肪を消化するのに重要な役割を持つものです。

なので、膵外分泌不全になると脂肪分を吸収できないため、下痢になりやすく便に油分が多く含まれるためテカテカした脂肪便という状態になったりします。

三大栄養素である脂質を吸収できなくなるので、枯渇する脂質を補おうと食欲は亢進するのに体はどんどん痩せてしまいます。

蛋白漏出性腸症

蛋白漏出性腸症が疑われるサインには次のようなものがあります。

  • 食欲亢進
  • 慢性の下痢(小腸性)
  • 腹部膨満

蛋白漏出性腸症は、炎症性腸疾患(IBD)や腸リンパ管拡張症、消化管型リンパ腫などで起こる病態です。

腸管内にタンパク質や脂質が漏れ出して栄養が失われます。

そのため飢餓感から食欲が亢進しますが、どんどん痩せていくことに。

低蛋白が進むと腹水がたまるようになり、お腹が膨れてきたりもします。

その他の食欲亢進の原因

食欲が亢進する原因には他に次のようなものがあります。

低血糖症

低血糖症は一時的なものにはいろいろな原因がありますが、慢性的に低血糖症になる原因は限られます。

次のようなケースが考えられます。

  • 重度の感染症
  • 先天性肝疾患
  • インスリノーマ
  • その他の腫瘍

若い犬では、腸から吸収した栄養を肝臓に送る門脈のルートに奇形がある門脈体循環シャントによって、肝臓に栄養をうまく貯蔵できなくなり低血糖症が起こることがあります。

低血糖はいわば飢餓状態でフラフラの状態。

なんとか栄養を蓄えようとたくさん食べますが、発育が悪く小さい体のままになります。

インスリノーマはブドウ糖を細胞に取り込むインスリン分泌細胞が腫瘍化してしまった病気です。

インスリンが過剰なためどれだけ食べても常に低血糖で空腹の状態です。

重度の感染症やその他の腫瘍では、糖の消費が亢進して低血糖におちいります。

これらの原因の病気では体調が悪くなるので、低血糖になっても食欲が亢進するとはかぎりません。

食事のカロリーが低い

与えているドッグフードが、その子の消費エネルギーに比べて低すぎると異常な食欲をみせることがあります。

活発に動き回っている子にはそれに見合った高カロリーのドッグフードを与えるようにしましょう。

低カロリーのフードでは一見、満腹になる量でも栄養が足りず、常にお腹を空かせた状態になります。

ダイエットの必要がある場合を除いて、低すぎるカロリーのドッグフードは避けましょう。

薬による副作用

何らかの病気の治療のために薬を飲んでいる場合、薬の種類によっては食欲亢進の副作用が出てくることがあります。

食欲亢進作用のある主な薬剤には

  • ステロイドホルモン
  • 抗けいれん薬

があります。

特にステロイドホルモンはアレルギーの薬や消炎剤としてよく処方されるので、薬を飲みはじめて食欲が異常に出てきたりしたら、ステロイドホルモンを処方されたのかもしれません。

まとめ

”ドッグフードをよく食べることが健康な証拠”と単純に思い込んでいると、異常な食欲があってもおかしいと気づくことはできません。

元気さも食欲も、常に今までと比べてどうなのかを観察することが大切です。

日頃の健康な時の状態を把握しておけば、ちょっとした変化に気づくことができます。

そうすれば食欲が増えた場合も見逃すことなく、何か原因があるのではないか?と気づくことができるのです。